ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。 「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第19回はPING契約の比嘉真美子(26=TOYO TIRE)

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比嘉は、昨年は開幕戦のダイキン・オーキッド・レディースで地元初優勝。6月の全米女子オープンでは、最終日に優勝争いを演じ5位。18年の全英女子オープンの4位に続き、世界にその実力を知らしめた。後半戦は優勝争いに絡めなかったが、トップ10入り9回など、その力は女子ツアーの中でもトップクラスだ。

昨年も、比嘉はPINGのG410ドライバーで結果を出した。「初速が出ている感じで曲がりも少ないし、思い切って振り抜いていける」と、平均飛距離も249・60で堂々の8位。安定したドライバーを武器に、戦った。

今年も、その流れでクラブセッティングの大きな変更はない。比嘉のクラブ担当は「使用ヘッドは19年と替わっていません。FWとハイブリッドのシャフトをPINGの米国のみで展開している純正シャフトALTAシリーズをテストしています」という。

ALTAの表示上のシャフトフレックスは「X」で、1Wやアイアンとの流れに、一見沿ってないように見える。しかし、プロ担当は「適度なしなり感がありながらハリがあり、1Wから60度までの統一感・使用感は良く、持ち味の飛距離が出て、さらに方向性も安定しています」と説明する。微調整ながら、安定感を増せば、いつでも勝てる実力を持つ比嘉。今年は賞金女王争いにも絡みたいところだ。【桝田朗】

◆比嘉真美子(ひが・まみこ)1993年(平5)10月11日、沖縄県国頭郡本部町生まれ。11歳でゴルフを始め、沖縄・本部高卒業後の12年夏にプロテスト合格。翌13年にツアー2勝を挙げ、賞金ランク8位で初のシード権を獲得。18年は年間獲得賞金1億円突破。19年は、地元での開幕戦ダイキン・オーキッド・レディースで優勝し、年間賞金ランクは18位。国内ツアーは通算5勝。161センチ、58キロ。

<比嘉のPINGゴルフクラブ>

▼1W=G410 PLUS(ロフト角9度、シャフト=TOUR173-65、硬さS、長さ45・0インチ)▼FW=G410(3W14・5度、5W17・5度、7W20・5度)▼H=G410(3H19度、4H22度)▼アイアン=i210(5I~PW)▼ウエッジ=GLIDE FORGED(52度、56度、60度)▼パター=PLD Anser5