日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。 「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第20回はPING契約の渋野日向子(21=サントリー)。

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昨年の全英女子オープンを制するなど日米で5勝を挙げた渋野が、さらなる進化を遂げてコースに戻ってくる。プロ2年目を迎えるにあたり、オフには体力の強化に取り組んだ。それを見込んで、クラブセッティングにも変更が施された。

クラブの変更はほとんどない。ただ、シャフトの重量を数グラム重くし、シャフトフレックスを1フレックス硬くした。渋野のクラブ担当は「オフのトレーニングで筋力・体力がアップしたことを見越して、そして海外のタフなライのセッティングにも対応できるようにすることが、今回のシャフト変更の目的の1つです」と話す。

昨年オフに掲げた今年の目標は、五輪出場と米国ツアー本格参戦への準備だった。新型コロナウイルスの感染拡大で、五輪は延期となり、米国参戦も見通せないのが現状。それでも、いずれは戦う米国へ、その準備は怠りない。完全に米仕様とまではいかないが「芝質やライの硬さの違いなど対応できるために、クラブ重量を少し重め、シャフトを少し硬めにしてもらいたいというところです」(プロ担当)と、渋野側の意図をくみ取っての変更だ。

渋野の強気のパッティングを支えるパターも、4月24日発売ではじくソリッドな打感のヘプラー・アンサー2を採用。昨年の快進撃を支えたやわらかな打感のシグマ・アンサー2との併用で万全を期す。体力、クラブセッティングの進化で、今年はさらなる攻撃的なゴルフがみられそうだ。【桝田朗】(おわり)

◆渋野日向子(しぶの・ひなこ)1998年(平10)11月15日、岡山市で3人姉妹の2番目として生まれ、8歳でゴルフを始める。中1から岡山県ジュニア3連覇。岡山・作陽高では全国高校選手権団体の部で優勝。18年2度目の挑戦でプロテスト合格。19年5月のワールド・サロンパス・カップでツアー初勝利。8月にAIG全英女子オープンで優勝。19年はツアー4勝を挙げ賞金ランク2位。165センチ、62キロ。

<渋野日向子のPING契約クラブ>

▼1W=G410 PLUS(ロフト角10・5度、シャフト=フジクラVENTUS 5、硬さS、長さ44・75インチ)▼FW=G410(3W14・5度、5W17・5度)▼H=G410(4H22度、5H26度)▼アイアン=i210(5I~PW)▼ウエッジ=GLIDE3・0(52度、58度)▼パター=HEPPLER Anser2、SIGMA2 Anser