大会2連覇に挑む渋野日向子(21=サントリー)がスタートした。1番パー4(370ヤード)。緑のセーターに紺のパンツ姿で、ドライバーの第1打は左ファーストカットとまずまずの位置に運んだ。第2打でパーオンできず。第3打のアプローチは、ピンまで約3メートルに寄せた。パーパットはカップに弾かれ、惜しくもボギー発進となった。

スタート時、午前組で競技を終えた選手のトップスコアは通算1アンダー。10メートル以上の強風が吹くコース。練習ラウンドでは穏やかだったリンクスが、本性を現した。アウトはアゲンスト、インはフォロー。前半に耐え、後半に伸ばすスコアマネジメントができれば、最高の展開になりそうだ。

リンクス開催で今大会の“前哨戦”とされた前週スコットランドオープンで予選カットラインに9打も及ばぬ予選落ち。精神的な落ち込みも心配されたが、渋野は「正直不安の方が大きかったですが、こっちに来て楽しみになった」という。

ロイヤルトルーンGCに着いて「至る所に自分の顔があるので、おもしろくて」。あちこちにある大会ポスターに、前年覇者の自分がいる。「一生に1度あるかないか、のこと。ここに来ただけでリフレッシュできた。本当にありがたい。この1週間を大切に生きて行けたら」と笑顔が戻った。

「2連覇できるのは自分しかいない。そこはしっかり意識して、でも、もっと大切なこともあります。笑顔を忘れず、お菓子を食べながら、頑張れたらと思います」。本来の明るさを取り戻し、渋野の挑戦が始まった。