「女ウッズ」ことルーキーの笹生優花(19=ICTSI)が、2戦連続優勝を果たした。

単独首位で出て5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で回り、通算13アンダー、275。1988年のツアー制施行後としては宮里藍、畑岡奈紗に次いで3人目となる、10代での2戦連続優勝を飾った。また初優勝からの2戦連続優勝は西田智慧子、表純子、畑岡に次いで4人目となった。

降りしきる冷たい雨の中、小祝さくらとの一騎打ちとなった最終日。2番パー4でダボをたたき、一度は小祝に首位を譲った。だが4、6、7、9番とバーディーを積み重ね、再び首位を1打差で奪取。11番でともにボギーとスコアを落としたが、迎えた12番パー3。ここで笹生はチップインバーディーを奪い、小祝に2打差とした。

14番パー4では第1打が右へそれたものの、第3打でグリーンととらえると正確なパットでパーセーブ。15番では5メートル超を残したパーパットを外しボギーとなったが、小祝もパーーパットを決めきれず仲良くボギー。

16番パー4で笹生の第1打は右ラフへ外れたが、第2打でフェアウェーへ戻し、第3打でピンそばにつける鮮やかなリカバリーショット。ここも正確なパットでパーで乗り切った。悪天候で小祝もスコアメークに苦しむ中、最後まで粘り強いゴルフを披露して逃げ切った。

今季開幕戦で5位、2戦目のNEC軽井沢72と今大会で連続優勝し、賞金は3戦合計で5904万円となった。今大会が賞金総額2億円と、例年の2倍となった幸運もあるが、国内女子ツアーで過去最速の賞金5000万円突破は、申ジエと畑岡奈紗の8戦目。従来の記録を大幅に更新した。

師匠の「ジャンボ」こと尾崎将司からは初優勝の際に「米国でトップになりたいと意識していたが、見えてきたのではないかな。まずは1勝、よかった」などと、祝福の言葉を送られた。これに笹生は「ありがたいです。そういう言葉を聞けるのはすごくうれしい」と喜び、今大会に向けてさらに気持ちを高めた。

2番でダブルボギーをたたくなど、一時は首位を譲っていた。それでも第3ラウンド終了後は「追われるよりも、追う方が好き」と、この日の展開を予想したように話していた。降雨によるコースコンディション不良のため、当初の予定より2時間30分遅れでスタート。ツアー史上初めてセカンドカットが適用され、第3ラウンドの62人から、最終ラウンドは34人へとおよそ半数に減り、気温は20度に届かない急な寒さに見舞われた。さまざまな環境の変化にも対応した笹生が、一段と強さを印象づけた。