黄金世代の植竹希望(22=フリー)が通算9アンダーで、ツアー自身初のトップ10となる6位に入った。アマチュアではツアー出場6戦で予選通過5度にもかかわらず、プロ転向した17年から昨季までは、レギュラーツアー出場8戦全てに予選落ち。同世代の小祝が優勝した大会で、どん底を乗り越えた植竹が力強い1歩を踏み出した。

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自己ベストフィニッシュへ、植竹は12位スタートから、5バーディー、1ボギーの68で4つスコアを伸ばした。「ショットの調子は上向きでした。セカンドショットで満足できる感覚が昨日までは1、2回しかなかったのが、今日は3、4回に増えてくれた」。8月中旬の下部ステップアップツアー開幕戦で優勝。いい流れを、ツアーでつないで見せた。

98年度生まれの黄金世代の1人で、アマチュア実績もある。ところが、17年のプロ転向から昨季まで、ツアーで1度も予選をクリアできない。“別人”になった。

「経験したことがないスランプ状態になった。“通るのが当たり前”という感覚がなくなり、悪循環に陥った」

昨年オフに千葉・船橋CCで多くの男子プロと練習をともにした。日本ツアー3勝のディネッシュ・チャンド(48)にはドロー、フェード、高低とショットを打ち分けるコツを学んだ。フィジーから来日、元米ツアー賞金王ビジェイ・シンとコンビでW杯出場も果たした苦労人らがトンネルの出口を示してくれた。

今年はアース・モンダミンカップでプロ初のツアー予選通過を果たし、これで4戦連続とした。次戦は10日開幕の日本女子プロ選手権(岡山・JFE瀬戸内海GC)。「平常心で。セカンドショットの感覚をもっと上げていきたい」。黄金世代の仲間を追いかける準備が整った。【加藤裕一】

◆植竹希望(うえたけ・のぞみ)1998年(平10)7月29日、東京都生まれ。父竜也さんの影響で4歳から競技を始め、17年夏にプロテスト合格。日出高卒。アマチュアだった13年スタジオアリス女子オープンでは14歳で最終日最終組の活躍で19位。今年8月のステップアップツアー「ラシンク×RE SYU RYU RKBレディース」で優勝。170センチ、59キロ。