身長150センチのルーキー西村優菜(20=フリー)が、開催53回目の女子プロ日本一決定戦最小兵Vに王手をかけた。2打差2位から67をマークして、通算11アンダーの首位浮上。アマチュアで16年日本女子オープンで6位に入ったミレニアム世代の実力者が、14年大会の鈴木愛以来となる大会史上2人目の新人Vへ。ちっちゃな体ででっかい勲章を狙う。1打差2位に田辺ひかり(23)ペ・ヒギョン(27=韓国)が並んだ。

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文字通り、ピンを刺した。15番パー4、残り130ヤード。西村が9番アイアンで放ったショットは、カップ脇20センチに止まった。OKバーディー。150センチの体で「得意のショートアイアン」で、7バーディーを量産。昨年に今大会開催コースでプロテストに合格した新人が首位に立った。

アマチュア優勝した古江、アジアパシフィック女子アマ覇者の安田らと同じミレニアム世代。「小さい時から牛乳もいっぱい飲みましたよ~。プロテインも飲んだし」。思うように背は伸びなかったが、引け目はない。海外試合で“女ウッズ”笹生に、ドライバーショットで大きく置いていかれたこともあるが「ほかでカバーできるのがゴルフ」と技を磨いた。

アマチュアでツアー22戦に出た。「常に上位にいる人が強い人」と思うようになった、元世界ランク1位申ジエに憧れた。「そんなに飛距離がなくても、手堅い。チャンスを逃さない。かっこいい」と言う。

開催53回の女子プロ日本一決定戦史上、14年大会の鈴木愛以来2人目のルーキーVへ。最も小柄なチャンピオンへ。「小さいけどゴルフはできる。後の世代への説得力になれたら」。大きな心で勲章を狙う。【加藤裕一】