8年連続出場の松山英樹(28=LEXUS)が、日本男子初のメジャー制覇へ、首位と6打差の暫定33位につけた。2バーディー、3ボギーの71、1オーバーで回った。フェアウエーキープ率はトップタイの71%と、ティーショットが好調。課題はパットに見えるが、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功会長(78)は、優勝争いに加わるための最大の修正ポイントは精神面と指摘した。今平周吾も1オーバーの暫定33位、石川遼とアマチュア世界1位の金谷拓実は2オーバーで暫定57位となった。日没までに3人が回り終えられなかった。ジャスティン・トーマス(米国)が5アンダーで首位に立った。

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松山は本来のゴルフをできていなかった。今大会のコースについて、みんなが「難しい」と言うから、難しいと思い込んでしまっていた気がする。終わってみれば「グリーンは止まる」や「ピンポジションが難しくなかった」と言う選手が多かったのに、スタート前から「難しい」という先入観があるから、臨機応変に対応できなかった。「オレはオレなんだ」とか「オレはこうやるんだ」という、信念を感じなかった。

ピンが右にあるから、右側から攻めないといけないとか思い込んでいる。最初のボギーをたたいた、後半出だしの10番パー3が典型的。第1打でグリーン脇のバンカーに入れたが、ピンに近いからといって、あんな難しいところを狙わなくてもよかった。本人は「グリーンが硬いのか、硬くないのか分からなかった」と言っていて、少しでも寄せたかったのかもしれない。グリーンを外した時に、攻められる方向に外すのもゴルフ。オレが現地に行っていたら「お前、そんなに考えないで自分のやりたいようにやれよ」と言いたい。

結局、グリーン上の勝負でパッティングのうまい人が、我慢してやっているうちに上位に入っている。松山は9番のバーディーパットが、全く距離が合わず短かった。段差があって、上りきった後に転がりすぎることを警戒したと思うが、あれだとパットの調子は上がらないし、ショットのキレにまで影響しかねない。それも精神的なもの。これだけ長く米国にいるんだから「自分が難しいものは、他の人も難しいはず」ぐらいの気持ちが必要。「メジャー」と考えすぎず、少しリラックスして臨んだ方がいいと思う。(プロゴルファー、テレビ朝日解説者)