渋野日向子(21=サントリー)が、国内ツアー2戦連続の予選落ちを喫した。2バーディー、3ボギー、2ダブルボギーの77で、通算5オーバー、149の65位。アプローチでミスを連発し、パットは決まらなかった。第1ラウンド(R)でプロ2度目、通算5度目のホールインワンを達成した勢いは消えていた。欧米遠征で、6月の開幕戦以来4カ月ぶりとなった今年2戦目の国内ツアーで、またも予選を通過できず。持ち前の明るさも影を潜めた。

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わずかな力みから渋野が自滅した。5番パー4の第3打。グリーン手前から、58度のウエッジで放ったアプローチはピンを越えた。グリーンから転がり落ち、ピンから6メートルも離れた。再びのアプローチも3メートルオーバーと、ピンの前後を行ったり来たり。2パットを要してダブルボギーをたたいた。7番パー4もバンカーからの第2打がグリーンを越え、第3打のアプローチは5メートルオーバー。さらに3パットを要し、2度目のダブルボギー。失った流れは最後まで取り戻せず、国内2戦連続で予選落ちした。

渋野 何回この悔しい思いを経験したらいいんだろう。でも…。これが実力です。去年がうまくいきすぎた。去年の自分と比べたら前に進めない。でも比べてしまう自分が本当に情けない。去年の自分にすがっていても仕方ない。初心に戻ってあと(年内の国内)4試合、頑張っていきたい。

昨年はメジャーのAIG全英女子オープンを制し、国内でも4勝した。レベルアップを図り、オフは58度のウエッジを4本も使用不能にするほどアプローチを猛練習。他のクラブでも練習したが「怖いというのはある。なかなか使えない、持てない。やっぱり自信がない。今まで使ってきたものに頼ってしまう。だから前に進めない」と打ち明けた。信頼できる58度を多用し、打ち方の強弱で調整したがミスショットは「強く入ってしまった」。昨年は得意だったパットも同様で「今は足を引っ張っていてすごくつらい」という。焦りから、さらに正確性を欠く悪循環に陥っている。

第1Rで5度目のホールインワンを達成したが、過去4度は「全部予選落ち」と明かしていた。この日は「やっぱりダメですね。なかなか(ジンクスが)解けないですね」と、苦笑するしかなかった。次戦は予選落ちのないTOTOジャパン・クラシック。「その分、初日から攻めていける」。予選落ち後も照明を頼りに練習を続け、雪辱を期していた。【高田文太】