渋野日向子(21=サントリー)が、今季国内初のアンダーパーで回った。2戦連続予選落ちからの第3戦で、5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71。1アンダーで38位発進した。海外チャレンジも含め不振が続く中、希望の光が見えてきた。藤田さいきとペ・ソンウが7アンダーで首位。渋野と同組の原英莉花は4アンダーで10位、畑岡奈紗は3アンダーで16位だった。

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渋野は「結果を気にしない」とは言っても、最終18番のパーパットには力が入った。今季初めてとなるアンダーパーがかかっていたからだ。4メートルのパットを沈め「久しぶりに、やっとアンダーパーを出せた。日本では今年初めて。やっとだなと。最後のパットはしびれましたね」と喜んだ。

いいところも、悪いところも出た。5つのバーディーを奪うも、2ボギー、1ダブルボギー。11番パー4では、第2打をベタピンのスーパーショットでバーディーを決めたが、1~2メートルのパットを3回外した。そのうち2回はボギー。そして17番パー5ではバーディーパットを外した。

ラウンド中は、同組の畑岡やキャディーと談笑する以外は、厳しい表情が多かった。「18ホールがめちゃめちゃ長かった。1ホールに対して考える量が去年より絶対増えている」と明かした。プレー中のもぐもぐタイムも、キャディーに2ホール連続で「食べなよ」とうながされ、ようやく1本満足バー(栄養調整食品)を1本口にした。

現在はどん底から、自分のゴルフを構築する作業を試合をやりながら続けている。この日は課題のパターで「緩んで外すのがなかった。今日はマイナスから0点ぐらいに戻った」とわずかな前進を喜んだ。

1アンダー、38位の結果に「今の状況なら喜んでいいのかなと思うが、要所要所で後悔しちゃうようなミスが多かった。スコアよりそういう悔しさが勝っている」と本音ものぞいた。そんな悔しさが、渋野をさらに強くするはずだ。【桝田朗】