日本女子オープン覇者の原英莉花(21=日本通運)が、国内メジャー2連勝に王手をかけた。強風の中、3バーディー、2ボギーの71でまとめ、通算10アンダー。2位に1打差で第1日からの首位を守った。

ラウンド中に栄養補給のおにぎりを食べ忘れるほどの“全集中”で、同じ黄金世代の渋野日向子、畑岡奈紗に匹敵する国内メジャー年間2勝に手をかけた。

強烈なアゲンストに奮い立った。「絶対にパーで上がるんだ!」と、原は気合を入れた。この日、スコアを落とす選手が続出した難関の最終18番パー4。残り158ヤード、打ち上げの第2打で、番手を2つ上げて5番アイアンを握った。左5ヤードのピンの右15メートルに何とか乗せた。バーディーパットは2メートルもショートしたが、パーセーブに成功すると、自然にガッツポーズが出た。

穏やかだったコースが、牙をむいた。風速5メートル超の風が吹いた。「胸が開きやすいので、胸を下に向けるようにした」。アイアンは1番手上げ、球を低く抑え、コントロールショットを心がけた。1打1打を積み重ねる“全集中”はいいが、度が過ぎた。前半で2個、ハーフターン時に2個、後半に2個。いつもおにぎりを食べるのだが、この日は4個食べ忘れた。「最後はあっぷあっぷ。明日はちゃんと食べて、脳に栄養を送らないと」と笑った。

よく夢を見る。今大会前。「階段を上ったらお風呂があって、その中に神様がいた」と笑った。神様は吉兆だ。日本女子オープンに続く国内メジャー制覇へ。昨年は渋野がサロンパス杯、全英女子オープンを制し、畑岡が日本女子プロと日本女子オープンを制した。同じ黄金世代の先駆者と肩を並べるチャンスがやってきた。

◆国内メジャー年間2勝以上 原が達成すれば、昨年の畑岡奈紗(日本女子プロ、日本女子オープン)以来15人目(日本勢10人目)。申ジエだけ18年に年間3勝(サロンパス杯、日本女子プロ、リコー杯)を記録している。