通算21勝の池田勇太(34=フリー)が、今年初の首位に立ち、歴代単独2位の12年連続ツアー優勝へ好発進した。2イーグル、4バーディー、2ボギーの6アンダー、64。2位の谷原秀人に1打差、3位の市原弘大らに2打差をつけた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年の国内男子ツアーは20試合が中止。最終戦の今大会が6試合目だが、尾崎将司の15年に次ぐ連続優勝の継続に挑む。

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12年連続優勝へ、ラストにして最大のチャンスが訪れた。毎年最終戦の今大会に、池田は09年から12年連続出場も優勝はない。決して得意コースではない。宮崎市での前戦から20度近く気温が下がった寒さで、飛距離も出ない。それでも今大会にかける思いがショットに正確さをもたらした。ともにパー5の第2打を、6番は2メートル、17番は3・5メートルにつけて圧巻の2イーグル。約1年前のダンロップ・フェニックス第2日以来の各日首位に立った。

「大満足ですね。ここに帰ってくることができて、うれしかった」と言葉をかみしめた。今大会の出場枠は30人。「今年は出られないかと最初は思っていた」。だが前戦の最終日、最終18番でバーディーを奪って8位となり、賞金ランクで辛うじて出場にこぎ着けた。連続優勝記録が前戦で途絶えかねない状況を回避。「試合が少ない中でも、自分が優勝する姿を応援してくださる方に見せたい。結果的にそこ(連続優勝記録)にまたつながっていくと、ありがたいなと思う」。ファンと記録への思いを重ねて今大会に乗り込んだ。

11年連続優勝は青木功、片山晋呉と並び、尾崎将司の15年連続に次いで2位。今年は中止が相次ぎわずか6試合目だが、試合ができることに感謝する。選手会副会長として、元会長の経験を生かして会長の時松隆光をサポート。試合再開へ1日6度も会議に参加するなど練習時間は激減した。それでも「(自分が)好きでやっているから、いいんじゃない」と笑い、充実感は例年以上。環境を言い訳にせず、歴代単独2位を目指している。【高田文太】