渋野日向子(22=サントリー)が、苦しみながらも首位を守り、日本人初のメジャー2勝目に王手をかけた。

1バーディー、4ボギーの74で回り、3つ落として通算4アンダー、209でホールアウトした。2位は通算3アンダーのエーミー・オルソン(米国)。スタート時点で2位に3打差あったリードは、1打差に縮まった。予選を上位で通過した選手は、軒並みスコアを伸ばせなかった。

渋野は1番パー4で3パットを要してボギー発進した。2番パー4も第2打をグリーン手前左のバンカーに入れたが、第3打を2メートルに寄せてパーセーブすると、ホッとしたように笑顔を見せた。5番パー5では、第3打をピンまで1メートルにつけて最初のバーディーを奪った。それでも7番パー4で、2メートルのパーパットを外して2つ目のボギーをたたいた。

後半もスコアを伸ばせず、14番パー4はバンカーからの第3打を寄せられずボギーとした。最終18番も第2打をバンカーに入れてボギーとし、3つ落とした。第2ラウンドまでパッティングの距離感が合っていたが、前日の雨を含み、重くなったグリーンに苦しんだ。

ホールアウト後、開口一番「(スコアを)落としたのはショックではあるんですけど、まだ一番上にいるのは不思議な気持ち」と、主催者インタビューに応じた。この日を振り返り「長かったです。難しい分、余計にですね。ずっと緊張していました。意識しないようにしても。『どうやって緊張って解けるんだろう』って思いながら、ずっと回っていました」と、少しホッとしたように笑顔を見せた。

スタート前は緊張を感じていなかったが「スタートホールに立った瞬間から、久しぶりに首位で決勝ラウンド、しかもメジャーということで緊張しました」という。その中でボギー発進。それだけに、2番のパーセーブを「あそこでパーを拾ったことによって、その後、ちょっとずつ自分の動きができるようになって(5番)パー5でバーディーを取れたので、あの流れはすごくよかったと思います」と、序盤で本来の動きを取り戻せたことを好材料ととらえた。

「ストレスがたまるゴルフではあったんですけど、その中で耐える時は耐えられたので、なんとかこれで抑えられたかなという感じでした」。一歩間違えば、さらにスコアを落としかねない状況で、首位を守ったことを前向きにとらえた。「明日はかなり天候が怪しい。雨も降るし、風も吹くかなという感じなので、かなりタフな最終日になると予想しております」。困難な状況を克服して、昨年のAIG全英女子オープンに続くメジャー2勝目を目指すことになる。