初の米ツアー参戦となった木下稜介(29=ハートランド)は1イーグル、3バーディー、1ボギー、1ダブルボギーで2アンダーの68、55位で第1日を終えた。

最後の最後で見せ場が待っていた。8番でボギーを喫した直後のパー5の9番。この日最後のホールをイーブンパーで迎えた木下は、4番アイアンを握った197ヤードのセカンドショットをピン横約2・5メートルにピタリ。これを沈めてイーグルを奪った。「最後は良かったですね。(セカンドショットは)最初はドローめでいこうかと思ったら、ちょっとイメージが出なかったのでアドレスを解いて、キャディーとフェードでいこうと話しました」。土壇場の切り替えをチャンスにつなげ、その後のパッティングもキャディーとの会話がポイントになったと明かした。「(キャディーが)グリーンの傾斜表を持っていて、めっちゃスライスに見えたんですけど、傾斜表どう?って聞いたら逆にフックのラインがきていて。真っすぐでいこうと決めたら、真っすぐいった」と振り返った。

このホールで2アンダーの68とし、66で23位の松山英樹に次ぐ日本人2番目の55位となった。15番ではティーショットを左に外し、リカバリーをコース外の家に打ち込んでしまいOBに。このシーンについては「(ティーショットが)壁のギリギリでスタンスがとれなくて左打ちしかできなくて、左で打ったら左に飛んで家に入ってOB。マジかって(笑い)。ダブルボギーで終われたのは救いだった。だから最後は決めていこうと思った」と話した。

後半は10メートル前後のパットを2つ沈めるなど冷静なプレーもみせた。予選突破、そして現在首位と6打差で上位進出もまだ狙える位置。「最後のイーグルは良かったけど、トップ10を狙うならもう少しいきたかったかな。OBと、3つあったチャンスのうち1つくらい入っていれば。手応えはすごくあった」と充実感もにじませる。ラウンド中はラフの飛び具合なども入念にメモをとった。「左風が多いので、ちょっとそこは対策したい。明日はもうちょっと良いスコアで回りたいですね」。推薦での米ツアー初出場をつかみとった男が、ハワイの地での飛躍を狙う。