女子ゴルフツアーの今年初戦、ダイキン・オーキッド・レディースが4日から沖縄・琉球GCで始まる。新型コロナウイルス感染拡大による昨年の試合数減少の影響で、史上初めて前年とシーズンが統合された。昨年好調だった選手にアドバンテージがある一方、長いシーズンだけに成長著しい選手、復調した選手が大逆転で賞金女王に輝く可能性も十分。日刊スポーツでは3回にわたり、今年の注目点などを紹介する。第1回は今年注目の3つの争いにスポットを当てた。

今年の女子ゴルフは3つの争いに注目だ。節目は6月と11月の「28日」。現状の日程だと、その2日間で選手に明暗が分かれる。

(1)オリンピック(五輪)代表争い 6月28日付の世界ランキングで、各国最大4人の出場選手が決まる。米ツアーを主戦場とし、世界ランキング7位の畑岡奈紗は頭一つ抜けた状態。残る1~3人の枠を渋野日向子、古江彩佳、鈴木愛が争っている。4人とも世界15位以内に入り、そろって出場というのは、各国とも出場枠を広げたい中で一筋縄ではない。キーマンとなるのは渋野だろう。

渋野は「かなり忙しい1年になる」と、今年は日米転戦を計画している。自主隔離などで出場試合数が減れば、ランキング上昇の機会も減る。一方、米ツアーで好成績を挙げれば飛躍的に順位が上がる可能性もある。ギャンブル要素の高い選択に注目が集まる。

(2)賞金女王争い 11月28日にツアー最終戦の最終日が行われる。現在、賞金ランキング1位の笹生優花、2位の古江は安定感抜群。この争いも、カギを握るのは渋野と同じ98年度生まれ「黄金世代」の原英莉花。昨年、賞金の高い国内メジャーで2連勝している。

(3)世代間争い 笹生は01年度生まれ「新世紀世代」で、続く古江は00年度生まれの「ミレニアム世代」。黄金世代との三つどもえの争いが続くと予想される。

初戦は2年ぶりの有観客開催。それぞれの争いが激しさを増せば、ギャラリーの動向にも変化が表れることになる。【高田文太】

◆女子の東京五輪代表選考 6月28日付の世界ランキングで各国上位2人に出場権が与えられる予定だった。15位以内に3人以上いる国は最大4人まで出場権。現在、日本勢は畑岡7位、渋野13位、古江16位、鈴木23位。45位の笹生はフィリピンとの二重国籍を有し、フィリピン勢1番手。現時点ではフィリピン代表で五輪出場を計画する。