女子ゴルフの新シーズンの見どころを紹介する連載企画の2回目は、20年に開催した全14大会のデータを検証。各選手の数値から特徴や見通しを探った。

各データを見ると、目にとまったのは賞金ランキング1位の笹生と2位古江の傾向の違い。笹生は1ラウンドあたりの平均バーディー数、パーブレーク率でともにトップで、パーオンホールでの平均パット数も3位とチャンスを確実にものにして躍進。一方でボギー数も多く、さらなる好成績を狙うにはホールごとの波を減らすことが課題になる。

一方、古江は昨年の全14大会に出場した選手中、ボギー数が最少。パーセーブ率は全選手中、唯一の90%台、リカバリー率も唯一の70%台と堅実なゴルフを徹底。正反対に思える2人が平均ストロークわずか約0・07差でしのぎを削る。

そんな中、フェアウエーキープ率では酒井、パーオン率では岡山と未勝利の2選手がトップ。酒井は昨年11月の伊藤園レディースで古江にプレーオフの末に敗れて6年ぶりの優勝を逃しており、巻き返しを狙う。

ほかでは年間の総合的な活躍度を評価するメルセデスランキングも面白い。大会ごとに賞金差があり、順位の公平性に難のある賞金ランキングと並ぶ指標として12年に導入。1位は年間最優秀選手賞となり、50位までにシード権も与えられる。米メジャーの成績も高ポイントで反映され、昨年は全米女子オープン4位の渋野が国内優勝とほぼ同等の280ポイントを得て、一気に11位へと上昇した。

冬場のオフを挟んでデータが持ち越される異例のシーズン。各選手が20年の数値をどれだけ修正してくるのか。その変動に注目するのも楽しみ方の1つだ。【松尾幸之介】