女子ゴルフの河本結(22=リコー)が15日、都内で日本体育大学の卒業式に出席し、今後の抱負や4年間の思い出などを語った。

前日まで高知県内で行われていた明治安田生命レディースに出場しており、夜に東京へ移動。この日は早朝4時半に起きて式典に備えた。卒業式では、多くのアスリートを抱える日体大の中で、学業と競技成績に優れ、かつ人物優秀者に贈られる理事長賞受賞者として表彰もされた。河本は他競技の学生らとの交流で大きな刺激を受けたと語り「ゴルフだけをしていたら学べなかったこともたくさん学ぶことができた。考え方だったり、心が一番変わったんじゃないかなと思います。すごく濃い4年間でした」と笑顔で振り返った。

大学では栄養学などゴルフに応用できる分野の勉強も積極的に行った。学業と各地を転戦するプロゴルファーの両立は難しく、昨年から米ツアーに本格参戦したことで授業への出席回数はさらに減り、4年間での卒業は危うい状況だった。大学進学を決めた際もゴルフとの両立を心配する周囲からは反対されていたというが、米国からオンラインで課題提出するなど努力を続け、目標の4年間での卒業を達成した。

この日は同じく日体大に通う一学年下の弟、力もキャンパスに姿をみせ、花束を渡して姉の卒業を祝福。姉同様にすでに男子ツアーにも参戦して活躍する力は「忙しそうにしていたので、まさか4年間で卒業できると思っていなかった」と卒業を喜んだ。

河本はそうした自身の姿を同じくゴルフに励む後輩たちのひとつの見本にもしたい考えも明かした。「ゴルフをしながらでも第2の人生のために大学に入ったり、いろんなことができるという道しるべというか。そういうことができたらいいなと思っていた」。その根底には、自身が周囲から温かいサポートを受けてプレーできていることへの感謝の気持ちがある。「今は本当にたくさんの方に支えられてプレーができている。今度は自分がスポーツ選手を支えてあげられるような存在になりたい」と早くも社会人としての自覚もにじませていた。

今後は日本で2試合を戦い、4月からは今年も米国へと戦いの場を移す。初戦は4月1日開幕の米メジャー初戦ANAインスピレーション(米カリフォルニア州)。同大会には昨年も出場しており「もちろん優勝を目指していきたいですが、まずはやるべきことをしっかりやって、トップ5を目指して頑張っていきたい」と意気込んだ。

明日朝には国内第3戦「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」(3月19~21日、鹿児島高牧CC)へ向け、再び鹿児島県への遠征に向かう。21年初戦から2試合は7位、28位とまずまずの成績。河本は4月の渡米までの国内戦制覇を目標に掲げており「2試合で大きな成長ができている。今やっていることがしっかりできると、残り2試合は面白い結果になるんじゃないかなと思います」と力を込めた。【松尾幸之介】