大会スタッフに新型コロナウイルス陽性者が出て、第1ラウンド(R)の競技開始は6時間半遅れの午後2時開始となった。この日、さらに第2日の10日も日没サスペンデッドの競技順延が濃厚。最終日の11日も予選Rが残り、競技進行がタイトになるのは必至となった。

日本女子プロゴルフ協会の小田美岐専務理事はこの日、状況と今後の見通しを説明した。「協会としては、できる限り54ホール競技として成立させたい」。競技の進行を早めるため、第2Rでペアリングの組み替えは行わず、第1Rを終えた者をピン位置の切り直し後に順次スタートさせる。また最終日も第2Rの残りを積み残す可能性があるため、予選R終了時にまず「60位タイ」までの決勝R進出者を決め、その後に昨年8月ニトリレディース以来の「セカンドカット」を行い、競技人数を「30位タイ」までに絞る予定。一方で最終的に優先すべき点は「競技成立」(54ホール競技は最低27ホール消化で成立)にあり、競技の進行状況がさらに遅れるなど悪化した場合「可能性はあります」と45ホール、36ホールなどに競技短縮する含みは残した。

またスタッフから陽性者が出た中継局の読売テレビ・墨田壮一取締役営業局長は「大会開催に向け、安全を徹底しましたが、スタッフから陽性反応者が出てしまったことを大変重く受け止めております」と謝罪した。

◆セカンドカット 日本女子プロゴルフ協会のトーナメント規定改定で、19年から導入されたシステム。荒天などで競技進行が遅れ、当初設定の54または72ホール競技の完了が難しい場合、予選ラウンド(R)通過者の決勝Rプレー人数を絞り込む。プレー人数は最低「30位タイ」以上。賞金はプレーできない選手も予選Rの順位で減額なく分配される。競技成立の手段としてホール数を減らす「短縮競技」より優先される。