国内女子ゴルフツアーがコロナ禍に直撃された。第1ラウンド(R)スタート前に中継局・読売テレビのスタッフ1人に新型コロナウイルス陽性反応が出たことが判明。

選手らに濃厚接触者はいなかったが、競技は実に6時間半遅れて午後2時開始となった。出場全114選手が競技完了できず日没順延。今日10日も第2R日没順延が必至で最終日の決勝Rは出場選手を30人前後に絞る「セカンドカット」が導入される可能性が出てきた。

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国内女子ツアーの21年第6戦は、思わぬ幕開けとなった。第1日の午前5時45分、大会本部に中継局スタッフ1人にコロナ陽性反応が出たとの連絡が入った。当該者は屋外作業員で練習日の7日に中継設備の設営に従事。選手、キャディーとの接触がないため、事前のPCR検査対象から除外されていたが、同日夜に発熱、8日に検査し、同日夜に陽性判定が出た。

日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)と主催者は午前7時30分の競技開始を遅らせ、選手らに練習場への立ち入りを禁じ、車、ホテルなどに待機させ、濃厚接触者の有無を確認。保健所から「なし」のお墨付きを得たが、競技開始は実に6時間半遅れの午後2時。第1Rの消化ホールは1組目が13ホール、最終組はアウトが4ホール、インが5ホールのみで全114選手が日没順延となった。

同ツアーでは21年初戦ダイキン・オーキッドレディースでも屋外作業員にコロナ陽性反応が出たが、開幕前日で本番に影響はなかった。今回は直撃だ。第2日も第1Rの残りと第2Rを行うため、日没順延は必至。最終日までの54ホール競技完了も危うい。JLPGAの小田美岐専務理事は「できる限り54ホール競技として成立させたい」と語った。第2Rで成績による組み合わせ変更をせず、競技進行を早め、最終日は予選の第2R後、決勝R競技者を「上位30位タイ」までに絞る、昨年8月ニトリレディース以来の「セカンドカット」も検討する。

選手への影響も大きかった。2週連続優勝を狙う稲見萌寧(21)は「今日は(競技が)ないんじゃ、と思ったりして、気持ちがなかなか乗らず…」と多くの選手の思いを代弁。コースは寒の戻りで強い北風が吹き、難度も増した。「過酷でした。どこまで回れるか全くわからなかった」と鼻水をすすりながら苦笑いしていた。【加藤裕一】