マスターズで第3ラウンドを終えて松山英樹(29=LEXUS)が単独首位。

最終ラウンドに向けて、01年マスターズで4位と日本選手過去最高位を誇る伊沢利光(53)に話を聞いた。松山の優勝を期待し、鍵は「やはりサンデー・バックナイン(最終ラウンドの後半9ホール)。メジャーはどの大会でもそうだと思いますね」。

2位に4打差。「仮に前半に多少スコアを落としたとしても、ハーフターンではまだ首位前後にはいられるはずでしょう」。最終ラウンドで仮に出遅れたとしても、簡単には優勝争いからは脱落せず、この日の第3ラウンドで30を出したように巻き返しは可能。逆に「前半で2位以下に6打差つければ大丈夫だと思うけど、それだけ差があっても勝てなかった選手もいた」。特にマスターズのインはイーグルと池ポチャが紙一重のホールなど、スコアが動きやすいため、最後まで気を抜けない。

01年、初出場だった伊沢のスイングは、アーノルド・パーマーから「キング・オブ・スイング」と絶賛され、注目された。全盛期のウッズが優勝し、ウッズの好敵手だったデュバル、ミケルソンに次ぎ、伊沢が4位だった。その後、09年に片山晋呉が4位となっている。

20年前に比べ、コースについて「グリーンは相変わらず硬いでしょうし、(総距離が)長くなったとはいえ、選手も飛ばすようになっている」と、あまり印象は変わらないようだ。「松山くんも飛距離で決して劣ることはない。ドライバーさえしっかり打てれば、何も問題ない」とみる。

また、今回ならではの視点もある。1打ごとに大歓声がわく、一昨年までのような大ギャラリーがいないことだ。盛り上がりに欠ける面もあるが、一方で「逆に自分のプレーに集中できるかも」。かつてとは違った環境を味方につければ、勝機が膨らみそうだ。