日本人で唯一マスターズに出場する松山英樹(29=LEXUS)が2位に4打差をつけて、日本時間12日午前3時40分スタートの最終ラウンドに臨む。

マスターズの最多優勝はジャック・ニクラウスの6回。タイガー・ウッズの5回、アーノルド・パーマーの4回と続く。

その中でもウッズは「マスターズを変えた」と言われている。会場のオーガスタ・ナショナルGCは1934年の設立以来、黒人を排除してきた。米国南部の保守的な地域。「白人がプレーし、黒人はコースではキャディー、クラブハウスでは召し使い」ともいわれてきた。

90年に初の黒人会員が認められたが、形式的な面も大きかった。そんな閉鎖的ともいわれた会場での大会だったマスターズ。97年、ウッズは開幕前に「大会の閉鎖性が闘争心を奮い立たせる」と言った。そして2位に12打差をつける、ぶっちぎりの優勝を決めた。

ウッズの優勝を阻止するかのように、コースは何度も延長されたが、その後も01、02、05年と優勝。その後も優勝に絡んだ。ゴルファーにアスリート性を高めたともいわれる「ウッズ革命」のおかげで、閉鎖性は緩和され、アジアにも門戸が広がり始めた。日本人、松山の活躍も、ウッズのおかげなのかもしれない。