男子ゴルフ・マスターズ(米ジョージア州・オーガスタナショナルGC)で初優勝した松山英樹(29=LEXUS)の快挙に、母校の東北福祉大(仙台市青葉区)も歓喜に沸いた。12日午前、同大で行われた会見では在学時に指導した同大ゴルフ部の阿部靖彦監督(58)が対応。地元紙の号外を掲げて教え子のメジャー初制覇を祝福した。

2位と4打差の単独首位で迎えた最終日。早朝、自宅から大学に場所を移してテレビ観戦した阿部監督は、表彰式直後に松山から電話を受けたことを明かし、「まだ記者会見前だったのでびっくりした。涙声の短いやりとりで言葉にならなかったが、いいたいことはすべて分かっていた。松山らしいゴルフをしてくれた」と言葉を詰まらせた。

東日本大震災から10年。被災地の思いを背負い続けている。大学2年に進級した震災直後の11年4月、周囲の声に支えられてマスターズに初出場。ロー・アマチュア(アマチュア選手最高成績)に輝いた。その恩に応えるように今も松山の住民票は仙台にある。コロナ禍の中、今夏は東京五輪も控える。現在も精神的支柱になっている阿部監督は「メジャーは何勝しても終わりじゃない。松山も次のスタートを切っていると思う。次は金メダルです。日本人選手である以上、絶対に出ます。出ないといっても出させます」と東京五輪に期待した。