ツアー通算5勝の笠りつ子(33=京セラ)が、7バーディー、1ボギーの66、6アンダーの好スコアで首位発進した。

ともにパー4の前半11、12番で、立て続けに第2打を2メートル足らずにつけて連続バーディーを奪った。これで流れに乗り、前後半ともに3つずつ伸ばした。ホールアウト後は開口一番「パーフェクトに近いプレーができた。ティーショットが良く、セカンド(ショット)も良く、パターも良く。全部でした」と胸を張った。

前週は自身よりも1学年上で、同じ熊本県出身の上田桃子が優勝した。「私も頑張りたいなと思ったし、桃ちゃんはすごくゴルフのことを考えていて、自分も負けていられないなと思いました」。刺激を受けると同時に「優勝おめでとうございました」と、対面した際に直接、祝福の言葉をかけた。

「自分の中でサロンパスはすごく勝ちたいという思いはあったけど、最近は調子も良くて、コンディションも少しずつ良くなっている」と、好スコアが出る下地はできていた。16年以降、約5年もツアー優勝から遠ざかっているが「目の前の一打に集中して、あまり5年ぶり(優勝)とかは考えず、自分のベストを尽くせたらいいなと思います」と、意識しすぎずに残る3日間と向き合うつもりだ。

19年には、ツアー会場でコース関係者に暴言を浴びせ、厳重注意処分などを受けた。「応援してくれるファンの皆さん、スポンサーの方、周りの方々に、私が良い結果を残すことで皆さんが喜んでくれるならと思って、今はやっています」と語った。「それまでは自分のためにゴルフをしてきたけど、あのことがあって、私は1度、ゴルフをやめようと思いました。でも、周りの方々がいたからこそ、皆さんのために、もう1度(ゴルフを)やりたいなという思いで今ここにいます」と、恩返しの思いが現在の最大の原動力だと語った。「まだ3日ある。明日は明日なので、また新たな気持ちで挑みたい」。胸のつかえが取れたように、終始はきはきと、若手選手のように丁寧な受け答えで語っていた。