松山英樹(29=LEXUS)は、4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの72で回り、通算1オーバー、289で、スタート時点と同じ23位で今大会を終えた。日本人男子で初めてメジャーを制した、4月のマスターズに続くメジャー2連勝はならなかった。6アンダーで優勝したフィル・ミケルソン(50=米国)とは7打差だった。

前半、最初にスコアが動いたのは2番パー5のダブルボギーだった。ティーショットを左に曲げると、木に当たって行方が分からなくなり、ロストボールの不運に見舞われた。第3打も腰の高さまである、フェスキューの草むらに入れた。第4打はボールに当てて、8メートルほど先のラフへ脱出するのがやっと。第5打で、ようやくグリーンに乗せ、2パットで7打を要した。それでも直後の3番パー4は、第2打のアプローチを1メートルに寄せて最初のバーディーを奪った。

6番パー4では、ピンまで12メートルのグリーン外から、ウエッジで狙い澄ましてチップインバーディーを奪った。観衆の声援に手を上げて応えた。それでも波に乗れず、直後の7番パー5は、ティーショットを大きく曲げ、観衆も誰もいない左のブッシュへ運んだ。2度目のロストボールこそ回避したが、第3打のアプローチがグリーンからこぼれるなど、ボギーをたたいた。スコアを1つ、順位を10ランクほど下げて折り返した。

後半に入っても、伸ばしたいパー5で逆に落とした。11番パー5は3パットでボギー。5メートルのバーディーパットに続き、1メートルのパーパットまで外した。ボギーパットを決めると、うつむきながら首をかしげた。

それでも終盤はマスターズ王者の意地を見せた。15番パー4は、残り130ヤードからの第2打を1メートル余りにつけてバーディー。さらに難度の高い17番パー3では、ティーショットをチャンスにつけてバーディーを重ね、大きな歓声と拍手を受けた。最終18番も3メートルのバーディーチャンスにつけたが、これは外し、パターを空中で1回転させて悔しがった。

76と4つ落とした前日の第3ラウンド後は、報道陣の前を素通りし、ノーコメントで引き揚げたが、この日はインタビューにも応じた。4日間を振り返り「うまくいった部分も、多少なりともありますけど、やっぱり、なかなかうまくいかないところが、多かったなという感じですね」と、冷静に話した。続けて「特に(68と4つ伸ばした)2日目はいいプレーができたので、そのままの流れでできるかなと思ったんですけど、なかなか…。昨日の後半でゲームを壊してしまったというところが、すごく悔しいですね」と唇をかんだ。

この日のプレーについては「昨日の後半から悪かったものを、少しでも改善しようと思ってスタートしたんですけど、なかなかフロントナイン(前半)は改善できなかった。後半になってやっと、少し良くなったかなと思ったところで終わってしまったので、ちょっと残念ですけど」と、苦笑いを交えて話した。今後の課題については「これだけ風が吹いた中で、なかなか対応することができなかった。基本的なショットとパットをうまく調整できれば、そういうもの(風)にもすぐアジャストできると思うので、そこら辺をしっかりと、もう1回つくり直していきたいなと思っています」と、前向きに話した。