首位に1打差の2位から出た勝みなみ(22=明治安田生命)が通算9アンダー、279で2年ぶりとなるツアー通算5勝目を挙げた。上位陣が伸び悩む中で71と伸ばし、逆転優勝。来秋に米国のQT(ツアー予選会)受験を予定していることを明かした。復調のきっかけをつかみ、予選会で出場権を得た来週のメジャー、全米女子オープン(6月3~6日)でも飛躍を狙う。

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ついに長いトンネルを抜け出した。勝はウイニングパットを決めると、笑顔で帽子を触り、周囲の祝福に感謝。キャディーの母久美さん(54)らと喜びを分かち合った。約2年間、勝てずに苦しんだ。「やっと光が見えた感じがします。すごく自信になりました」とすっきりした表情で語った。

勝負の最終ラウンドは波乱の幕開け。1番で第2打をバンカーに入れるなどしてダブルボギー発進。それでも「自分の課題に集中した」と切り替えた。外から大きく回すイメージに変えたスイングと、パッティング時のリズムと目線に意識を集中。ライバルが伸び悩む中、「最後の方は意識しなくても自然と振れた」と調子を上げ、1番以降は3バーディー、ボギーなし。勝負どころで強さをみせ、勝利をたぐり寄せた。

休む間もなく31日には来週の全米女子オープンへ向けて出発する。弾みのつく勝利となったが、会見ではその先に見据える22年秋の米国QT(ツアー予選会)受験計画も明かした。単発で出場してきたメジャーなどで感じた雰囲気や選手の意識の高さに刺激を受けたといい「1つでも多くの試合に出て成長していきたいと思った」。まずは全米に今の力をぶつける。

普段から全試合に同行する久美さんも週1度、英会話に通うなど準備は着々と進行中。勝はそうした支えに感謝しつつ、副賞のペアハワイ旅行について「ずっと母が行きたいと言っていたので行けたらいいなと思います」。久々の勝利は最高の恩返しにもなった。【松尾幸之介】

<勝みなみの優勝クラブ>▼1W=ダンロップスリクソン Z785 FL(シャフト=三菱ケミカル ディアマナ ロフト10・5度、長さ45・25インチ)▼5W=ダンロップスリクソン ZX(18度)▼4番ユーティリティー=ダンロップスリクソンZX(22度)▼4I=ダンロップ・スリクソン ZX7▼5I~PW=ダンロップスリクソン Zフォージド▼ウエッジ=クリーブランド RTX ZIPCORE(50度、54度、58度)▼パター=スコッティキャメロン GSS プロトタイプ▼ボール=スリクソン Z-STAR XV