新世紀世代の笹生優花(19=ICTSI)が2アンダー、69で首位と2打差6位につけた。過去5度開催された男子の全米オープンで3度がイーブンパー以上の決着だった難コースで4バーディー、2ボギー。最終日で「19歳351日」。朴仁妃の大会史上最年少優勝を2日更新する偉業へ、夢膨らむ。畑岡奈紗は26位、昨年大会4位の渋野日向子は41位。メリッサ・リード(英国)と17歳のアマチュア、メーガ・ガネ(米国)が首位。昨年の新型コロナウイルス禍による中断後、米女子ツアーとして初めて観客を入れて行われた。

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霧が残り、コースは湿り気を帯びていた。笹生は午前8時21分(現地時間)にスタートし、1番パー5(528ヤード)でバーディーを先行させた。残り105ヤードの第3打を、48度のウエッジでスピンを効かせてピン左1メートルにピタリとつけた。

最短パー4(263ヤード)の7番ではユーティリティーでフェアウエーに置き、残り64ヤードを56度のウエッジでピン下1・2メートルへ。13番パー3は5番アイアンでスピンの効いた球を打ち、ピン左5メートルへ。最終18番パー4(326ヤード)は3番ウッドでフェアウエーに置き、残り110ヤードを52度ウエッジで左1・2メートルへ。

4バーディーは力任せに奪ったわけじゃない。刻む時は刻む。時には高く、時には低く、アイアンを操り、チャンスを作る。この日のドライバー平均飛距離262・2ヤード、出場156人中15番目という世界クラスのポテンシャルが、理詰めのプレーを支える。

第1日に限れば昨年12月全米女子オープンの5位、4月ANAインスピレーションの8位に続き、メジャー3戦連続でトップ10発進を決めた。「全米女子オープンに出られることを、すごくありがたく思っていますし、楽しみでもあるので。緊張は…どの試合でもある。その中で楽しんでゴルフができるように意識していきたいなと思います」。気負わず淡々と大会への思いを口にした。プロ3年目。メジャー4戦目。最終日に「19歳351日」となる笹生が頂点に立てば、76回の歴史の中で最年少の優勝者になる。【加藤裕一】

◆全米女子オープンの最年少優勝 08年大会で朴仁妃が記録した「19歳353日」。逆に最年長Vは54年大会でベイブ・デドリクトン・ザハリアスが記録した「43歳6カ月」。

<06年大会以来のアマチュア首位発進を決めた17歳ガネ>一昨年に出た経験があるから、そこまで緊張しなかった。ラフに入ってもパニックにならず、冷静に対応できた。