笹生優花(19=ICTSI)が全米女子オープン史上最年少の「19歳351日」で日本女子3人目のメジャー制覇を成し遂げた。通算4アンダーで並んだ畑岡奈紗と日本人同士のプレーオフという劇的な展開を制した。

全米女子オープンは1946年創設の大会。女子ゴルフのメジャーの中で最も歴史が古く、最難関、最高峰とされている。

プロとアマが競い、文字通り、ゴルファー最強をかけ戦うナショナルオープン。それが全米となれば、もはやその価値は計り知れないといっていいだろう。

笹生の偉業達成で、知っておきたい18のことをまとめた。

前半9つに続き、後半は笹生に迫った9つ。

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(10)家族は 2001年6月20日、フィリピン生まれ。日本人の父正和さんとフィリピン人の母フリッツィさんの長女で弟3人、妹1人。

(11)新世紀世代 21世紀生まれで、日本女子の「新世紀世代」。渋野日向子らの「黄金世代」よりさらに若く、山下美夢有、西郷真央らが活躍中。

(12)ゴルフ歴は 8歳でゴルフを始める。よりよい練習環境を求め小学3年で日本からフィリピンへ。帰国後に通っていた東京・代々木高在学中の19年に日本のプロテストに合格。

(13)英才教育 小さい頃から正和さんによる下半身を鍛える指導を受ける。小学3年時のドライバー飛距離70ヤードが、1年に30ヤードずつ伸び、13歳以降は年に50ヤードずつ伸びていったという。現在は平均飛距離280ヤード前後の飛ばし屋に。

(14)ゴルフ一直線? 父の教えで、下半身強化のため、ランニングやラウンド中は両足首に重りをつけて鍛えた。これは正和さんがTBS系ドラマ「柔道一直線」(69~71年)で主演の桜木健一が鉄ゲタを履いていたことに影響を受けたものだという。

(15)逸材 14歳でフィリピン女子ツアーで優勝。15年にはサントリー・レディースで国内ツアー初出場。18年アジア大会はフィリピン代表で個人と団体で金メダル。19年にはオーガスタ女子アマで安田祐香とともに3位。同年、フィリピン女子オープンで優勝した。

(16)趣味 寝ること。ピアノや釣り、アニメを見ることも好き。

(17)好きな食べ物 「毎日食べるならカレー。ぜいたくするなら、しゃぶしゃぶ」。

(18)恩師はジャンボ! 指導してきた師匠の「ジャンボ」こと、男子ゴルフでツアー最多94勝のレジェンド、尾崎将司もコメント。「笹生の今回の優勝は、彼女の育ってきたつらい環境をバネにした何クソ精神の賜物(たまもの)であると思う。努力しかないことを一番理解し頑張ってきた成果でもある。本当におめでとう。また、敗れた畑岡選手も最大の賛辞を贈りたい。素晴らしい2位であったと思う」。