男子ゴルフのメジャー、全米オープン(17日開幕)に出場する石川遼(29=CASIO)と星野陸也(25=フリー)が15日(日本時間16日)、会場の米カリフォルニア州・トーリーパインズGCで練習ラウンドを行った。2人は一緒に1番からスタート。星野は9ホールで終了し、石川は残るインコースの9ホールを1人で回り、計18ホールを回った。

石川はすでに14日までの2日間も、18ホールを回って入念にコースを確認しており、この日で3日連続となった。これまでも米ツアーなどで経験のあるコースだが「難しいです。楽しい記憶もあるし、すごくいい思い出もいっぱいあるコースなので、本当に、まずは最高な気分ですね」と話した。トーリーパインズGCでは、同じ南Cで行われた14年の米ツアー、ファーマーズ・インシュアランス・オープンでは、優勝争いに絡み、優勝したスコット・ストーリングス(米国)と2打差の7位の経験もある。

今大会を前に、今月行われた国内ツアーのツアー選手権森ビル杯では、2番アイアンや7番ウッドなどを新たに投入し、コース攻略の幅は広がった。「(今大会の)出場が決まった時から、セッティングが難しくなったら何が必要かなというイメージができていたので、準備するだけはしてきた。今週初めて打つクラブはない」と、準備にぬかりはない。

練習は繰り返し使ってきた、約10ヤード飛距離が伸びるという長尺のドライバーも、実戦初投入の可能性があるという。フェアウエーが狭かったツアー選手権森ビル杯では「何のメリットもない」と、正確性を欠くために投入を見送り。今大会は「今週は『あり』かな、っていうふうに思う」と語った。

これまで詳細を語ってこなかった、昨オフからの肉体改造では「去年70~71キロで、そこから体重が7~8キロは増えている」と明かした。「人生で74キロいったことがなかった。75キロを切りたくない」と続けた。

この日、一緒に回った星野とは、今大会後に発表される世界ランキングに基づく五輪ランキングで決まる、東京五輪の日本代表入りを争う。各国2人に与えられる五輪出場権は、世界ランキング15位で日本男子トップの松山英樹の獲得が確実。もう1枠は、同78位で2番手の星野がほぼ手中に収めている状況だ。3番手の金谷拓実、4番手の今平周吾は今週試合出場がなく、星野を逆転する可能性は事実上消滅。5番手で同145位の石川と、同じく今大会に出場する同336位の浅地洋佑の3人に絞られている。

石川が星野を逆転するには、星野の成績もあるため概算だが、今大会4位以上が求められる。石川は「あんまり考えていないです。万が一、3日目が終わって狙える位置にいて、その質問がきたとしたら、その時は当然『目指して頑張ります』と、自分でも意識はすると思うけど、かと言って、ラウンド中にそれを考えるかというと、やっぱり目の前の全米オープンというのがある。五輪もずっと、出場したいと思ってきた。けど、成績を出すために必要なことがあって、その必要なことに集中することが、成績を出すことの一番の近道。自分のやるべきことに集中するだけです」と、今大会に懸ける決意を語った。

一方の星野も「まずはこの試合。五輪とか、その先の全英オープンとかもまずは考えずに、目の前の試合をしっかり頑張るということを意識してやっています」と、力説した。今大会は米国で行われた最終予選会を勝ち抜き「調子がいい感じになって、最終予選を通っている。自分との勝負というか、自分とコースと、うまく戦いながら攻略していきたい」と、状態が上向きということを実感している。

全米女子オープンでは、笹生優花と畑岡奈紗によるプレーオフが行われ、その様子は米国内で映像を確認したという。「すごいな、いいプレーしているなって思った」。特に畑岡とは同じ茨城出身。「自分もその勢いに乗れたらいいなって思いますけど、まずはしっかりと予選を通過して、そこから上位を目指して。あわよくば優勝を狙っていけたらいいなと思います」と、世界の強豪が相手でも気負いはなかった。