54位から出た松山英樹(29=LEXUS)は、4バーディー、1ボギーの68で回り、通算3オーバー、287でホールアウトし26位となった。

前半は、3ホール連続パーで迎えた4番パー4で、バーディーを先行させた。残り約170ヤードからの第2打を3メートルにつけて最初のバーディーを奪うと、笑顔を見せた。521ヤードと距離のある6番パー4は、ティーショットを314ヤード先のフェアウエーに運ぶと、第2打で4メートルにつけ、下りのバーディーパットを決めた。9番パー5は、第3打を2メートルにつけたが、下りの難しいラインで決めきれずパー。2つ伸ばして折り返した。

後半は連続バーディーから始まった。10番パー4は6・5メートルのパットを沈め、11番パー3はティーショットを3・5メートルにつけてバーディーとした。14番パー4は、バンカーからの第3打がグリーンの傾斜で戻され、ピンまで9メートルも残ったパーパットを決められず、この日唯一のボギーをたたいた。

それでも伸ばせなかった第2、3ラウンドとは違い、ツキには見放されていなかった。ボギー直後の15番パー4では、バンカーからの第3打は強めに当たった。だがワンバウンドしてピンに当たって止まる形で、ほぼピンの真下にポトリと落ちて難なくパー。ピンに当たっていなければ、パーを拾うのが難しいほど、大きくオーバーしていた可能性もあったが、この15番以降の4ホールは全てパーと踏みとどまった。

ホールアウト後は「途中までは、いいプレーができたので、よかったなと思っています」と話しつつ、表情を崩すことなく、最終日に優勝争いに絡むことができていないことに、悔しさをにじませた。スコアを落とした第2、3ラウンドでは、持ち味のショットが乱れたが、この日は安定感を取り戻した。フェアウエーをとらえた1番のティーショットがきっかけとなったか問われると「1番もそうですけど、他のホールでもいろんなことがあったので。最後の方でまた(ショットが)暴れてしまったので、もったいないという感じはあります」と、冷静に話した。

「まあ、順位が順位なので、できることもあったと思う」。良いショットやパットがあったことには手応えも感じつつ、やはり4月のマスターズでメジャー初優勝を経験したからこそ、物足りなさも感じている様子だった。

「次の大会には、しっかりと調整して、いいプレーができるようにしたいなと思っています」と、気持ちはすでに次の試合に向かっている。さらに「ちょっとした気付きもあったので、そこをしっかりと自分のものにできるようにしていきたいなと思っています」と話すなど、収穫もあった。「2日目と3日目がもったいないゴルフだった。そこを、崩れても、そこまでオーバーパーにならないような、ゴルフができるようになっていきたい」と、雪辱を期していた。