東京五輪出場へ最も近い位置にいる稲見萌寧(21=都築電気)が、昨年11月以来の予選落ちを喫した。1オーバーの76位から出て、4バーディー、4ボギー、1トリプルボギーの75をたたき、通算4オーバーで100位に沈んだ。五輪出場へは優勝が絶対条件の古江は首位と5打差の12位。菊地絵理香が10アンダーで首位を守った。

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稲見が崩れた。後半2バーディーで予選通過ラインの1オーバーまで浮上して迎えた331ヤードの7番パー4。第1打を左ラフ入れると、まさかの3オン、4パット。一気に4オーバーとして100位に降下。五輪出場が決まる最後の1戦で、今年初めての予選落ちとなった。

「なんとでもなる試合だったなという感じ。ティーショットからのマネジメントが全く合わなかった。初日からなんとでもできたのに」と悔しさいっぱい。

今年だけで5勝を挙げ、一気に東京五輪候補の日本人2番手に浮上。古江、渋野との最後の1枠争いで、有利な状況でこの大会を迎えた。予選落ちでも、まだ有利な状況には変わらない。しかし、古江が優勝しても稲見が単独3位なら五輪に出場できる、という自力決定の場は失われた。

東京五輪について聞かれると「そこは取りあえずあまり気にしていない。出られたらラッキーというのは変わりません」といつもと同じ言葉を繰り返した。

それでも、国内ツアーでの大ブレークに五輪出場権争いと、ここ4カ月ほどの状況の変化は「精神的な疲れはものすごくある」と明かした。「取りあえず休んで、気持ちを切りかえて頑張る」と立て直しを誓っていた。【桝田朗】

◆稲見、古江、渋野の五輪出場条件

▽稲見(WR25位) 古江が優勝を逃し、渋野が単独6位以下なら五輪決定。

▽古江(WR28位) 優勝が最低条件。さらに渋野が単独5位以下で五輪決定。

▽渋野(WR31位) <1>単独4位以上なら無条件で五輪決定<2>古江が2位以下の場合、単独5位以上で五輪決定。

※畑岡は五輪出場決定済み。稲見と古江はアース・モンダミン・カップ、渋野は全米女子プロ選手権に出場。アース-の優勝が19ポイントの場合。WRは世界ランキング。