渋野日向子(22=サントリー)は健闘及ばず、東京五輪出場権を逃した。通算6オーバーから出て、前半だけで5つバーディーを奪うなど6バーディー、1ボギーの67で通算1オーバー、ホールアウト時点で49位とした。逆転での五輪切符には単独5位以上が必要だったが、及ばなかった。これで日本勢の東京五輪出場は、畑岡奈紗と稲見萌寧の2人となる。

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渋野は最終日をホールアウトした時点で49位。五輪のためには単独5位以上が必要だった。後からホールアウトした選手が5人以上、渋野より上位につけた時点で、夢はついえた。

やることはやった。最終日は前半からアクセル全開。アウトから出て2番で初バーディーを奪うと、4番では5メートルを沈め、パー5の5番では第3打をピン横数センチにつけるミラクルショットで2連続バーディー。6番もラフから2メートルに寄せて決め、3連続バーディーとした。

8番で唯一のボギーをたたいたが、9番もバーディーとして前半だけで4つスコアを伸ばして後半へ。15番でもバーディーを奪い、迎えた池越えの17番パー3。前日の第3ラウンドでティーショットを池に4度入れて「10」をたたいたホールだったが、1発でグリーンに乗せると、ギャラリーから歓声で迎えられ、照れながら両手で「セーフ」のポーズを作って応えた。

試練の4日間だった。第3ラウンド開始前の検査で帯同キャディーに無症状ながら新型コロナウイルス陽性が判明。渋野は陰性で、急きょ現地のキャディーをつけて後半2日間を戦った。満足に英語が話せず、自分で距離計算をしながら番手選びなどをこなしながらプレー。第3ラウンドで通算6オーバーまでスコアを落とすとインタビューでは「本当に不安だらけというか…。最後まで回り切れてよかった」と涙も見せた。

最終ラウンドも前日と同じく現地キャディーと回り、吹っ切れた姿をみせた。五輪には届かなかったが、しぶこスマイルも取り戻し、大会を終えた。