前回大会覇者の石川遼(29=CASIO)はイーブンパーの71で回り、通算4アンダー、280で大会を終えた。

2日目まで上位争いを繰り広げながら3オーバーの74で回って後退した3日目を悔やみ、「優勝を目指していたので悔しかった。悪いことが出た3日目だったので、そこをプラスにとらえていければ」と振り返った。

今大会では2週前の全米オープンで初導入した約2インチ長いドライバーを継続使用したことに加え、パターも約10年ぶりに変更。長さは逆に2インチ短くし、ヘッドをL字マレット型からピン型に変えて臨んでいた。これらには一定の手応えを口にし、「これからも継続して使っていきたいなと思っています」と語った。

長尺ドライバーを振った際の力感が体になじむことで3番ウッドなど他クラブにも好影響が出るとし、「ドライバーの精度が上がってくれば、他のクラブのスイングも楽になってくる。3番ウッドで270、280ヤードぐらい出せるようになると、ドライバーを多用しないコースでも可能性が広がる。そこも楽しみにしている」とさらなる成長を誓った。

今後は次戦まで約1カ月開き、8月19日開幕の長嶋茂雄招待セガサミー・カップ(北海道・ザ・ノースカントリーGC)に向けた調整に入る。今大会には全米オープン出場による帰国後2週間の自主隔離期間中の活動を、オリンピック(五輪)強化指定選手であることによる特別処置で許可されて出場。大会後も6月27日の帰国から数えた2週間後の7月11日までは自宅以外の隔離施設で外出などを制限されながら過ごすことになる。

石川はあらためて関係者らへの感謝の言葉を述べ「まだ大会が終わっただけで、ほっとできるような状況でもない。果たしてこれが正しかったのかどうかといういろんな見方はあると思いますが、当事者として気をつけることをしっかり気をつけて、ルールに従ってプレーしようという思いで臨んだので。選手のみなさんも戦いにくかったかもしれないので、感謝したいなと思います」と話した。【松尾幸之介】