19年の賞金女王、鈴木愛(27=セールスフォース)が涙の復活優勝を遂げた。2位から出て1イーグル、3バーディー、1ボギーの68。通算10アンダーの134と逆転で、今季初勝利、通算17勝目を挙げた。19年7勝も挙げた絶対王者が、1年半の苦闘の末、どん底からはい上がった。西郷真央と勝みなみが、9アンダーで2位に入った。
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2度も賞金女王に輝いた実力者が初優勝のような涙を流した。19年11月の伊藤園レディースで優勝してから20カ月。どん底からはい上がってつかんだ表彰式の晴れ舞台で、鈴木は人目をはばからず泣いた。「こんなに長く優勝できないと思っていなかった。本当に長かった」と苦しかった心情を吐露した。
鈴木らしい女王の勝ち方だった。1打差2位からスタートし、前半9番で3つ目のバーディーを奪い、9アンダーとして単独首位に躍り出た。14番でボギーをたたき、一時は5人に並ばれる大混戦も、16番パー5でイーグルを決め、一気に抜け出した。
しかし、鈴木は17番、18番のパーパットを優勝のカギに挙げた。「最後の2ホールは1メートル近いパーパットが2回残った。練習したからこそうまく打てた。特に17番のパットはこれを入れなかったら負けて、また負の連鎖が始まると思って打った」と明かした。
優勝から遠ざかり、自分のゴルフが分からなくなった。「自分とトップの選手を比べるのが怖くなった。どうしてこんなに落ちこぼれてしまったのかな」と絶望し、ゴルフを辞めることも考えたという。そんな苦境の鈴木を支えたのはやはり練習だった。日没サスペンデッドとなった前日も、練習場の閉鎖時間の15分を惜しんで練習。この日の自分を救った1メートル近いパットの練習を繰り返した。「時間もないので、そのまま帰ろうと思ったけど、自分には練習しかないとやった。練習通りに17、18番のパットが入ってくれた」。
4月のパナソニック・レディースで優勝した上田桃子の存在も助けになった。大会前の練習で一緒になり昼食をともにした。その際に上田の勝てない苦悩を聞かされた。「私だけうまくいかないんじゃないんだ。復活優勝で自分も優勝できると勇気をもらった」。
多くの苦悩を乗り越えての優勝で、鈴木は新たな一歩を踏み出す。オフには今季の目標を5勝としていたが「ようやく勝ち取ったこの1勝が、今後に大きく変わる1勝になった。もちろん5勝は目指すが、結果を求めすぎて自分のゴルフを難しくしたくない。まずは残り試合であと1回勝てるように頑張る」。目標は控えめだが、女王は復活に手応えを感じている。【桝田朗】
<鈴木愛の優勝クラブ>
▼1W=PING G425(シャフト=ALTA JCB 硬さS、長さ45・5インチ、ロフト角10・5度)▼3W、5W=PING 425MAX(14・5、17・5度)▼UT(4、5)=PING 425(22、26度)▼アイアン=PING i210(6I~P)▼ウエッジ=PING GLIDE(50、54、58度)▼パター=PING ANSER2▼ボール=タイトリスト プロV1X

