約3カ月半ぶりの国内ツアー出場となる渋野日向子(22=サントリー)が3バーディー、2ボギーの71で回り、46位スタートを切った。米国遠征から帰国後の自主隔離期間を経て、大会開幕前日からコース復帰したばかり。来場した1000人を越えるギャラリーの大半を引き連れ、しぶこスマイルで沸かせた。先週大会で2位の若林舞衣子(33=ヨネックス)ら3人が大会記録に並ぶ63をマークして首位に立った。

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渋野が国内ツアーに戻ってきた。東京五輪代表の稲見、前回大会覇者で現在賞金ランキング1位の小祝と同じ注目組でのラウンド。大勢のギャラリーの視線を集め、序盤から沸かせた。2番パー4。約6メートルのパットを沈めてその組最初のバーディーを奪うと、大きな拍手と共に「ナイス!」「よし!」と声が飛んだ。スタート前の練習から、渋野が動けば人垣が動く。移動中の声掛けには「ありがとうございます」と丁寧に笑顔で返し「うれしかったですし、これこそゴルフだなというのはすごく感じました」と振り返った。

しぶこスマイルの奥で、実は緊張もしていた。1番ホールでは「どうやってスイングしていいかわからないぐらいだった」とこわばっていた。3カ月で7戦を戦った米国遠征から帰国し、自主隔離を経てまともに調整できたのは開幕前日の1日のみ。その中でもアイアンやパッティングの出来に手ごたえも感じ「スコアのわりに納得のいくゴルフができた」とうなずいた。

首位とは8打差。明日以降へ向けては「ピンポジによっては攻めるところは攻めていけたらいいかな」と巻き返しも誓う。この日でちょうど梅雨も明けた。照りつける太陽の下で、渋野の夏も始まった。【松尾幸之介】