東京五輪代表の稲見萌寧(21=都築電気)が5バーディー、ボギーなしと伸ばして通算9アンダー、135で5位に浮上した。

調子を崩していたが、持ち前の正確なショットが戻り、多くのチャンスをつくって上位に肉薄。首位と4打差から逆転優勝を狙う。未勝利の野沢真央(24=愛知製鋼)が首位タイから4つ伸ばして通算13アンダー、131で単独首位に立った。

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稲見のギアがまた上がってきた。4番では111ヤードの距離からピッチングウエッジで絶好のショットを放ち、30センチに寄せてバーディー。18ホール中12ホールで5メートル以内につけるなど、19年に歴代最高パーオン率を記録したショットの精度で、ギャラリーをうならせた。「もったいないホールが何個かあった」とパットが入らず伸ばしきれなかったことを悔やんだが、それでも5位まで浮上した。今季最多6勝をあげて五輪代表を射止めながら、ここ3戦は2度の予選落ち。不調に苦しんでいたが、五輪に向け、本来の輝きは戻りつつある。

30度近い暑さとなった会場ではギャラリーから「五輪頑張ってね」と声をかけられることも増えた。「頑張らなきゃという思いはある」と気持ちも引き締め、約3週間後の大舞台へ向けても、しっかり調整を続ける。五輪も同じように炎天下での開催が予想され、食事などにも気を使う。夏のお気に入りはお酢を入れた冷麺。「冷たいものとか、酸っぱいものは喉を通っていきやすい。心がすっきりします」と準備を進めていく。

五輪までは今大会含め残り2試合。次週はツアーを欠場して五輪会場の霞ケ関CCでの練習ラウンドへ向かう。思えば初優勝した19年センチュリー21レディースも7月下旬開催と「夏」には何かと縁がある。「寒いと手がかじかんでしまうので、そのへんがなくていいかな」。首位と4打差は射程圏内。クラブを握る手を緩めず、五輪も含めた夏の女王を狙う。【松尾幸之介】

◆稲見の東京五輪までの予定 次週は国内ツアーの大東建託いい部屋ネット・レディース(22~25日、北海道・滝のCC)を欠場し、24、25日に五輪会場の霞ケ関CCで練習ラウンドを行う予定。その後、ホステス大会でもある楽天スーパー・レディース(29~31日、兵庫・東急グランドオークGC)に出場し、五輪本番(8月4~7日)へと向かう。

 

〈18年に自己ベスト66を出した大会で単独首位の野沢〉ショットもパットも徐々に調子が上がってきている。できれば優勝したいけど、内容に集中してやっていきたい。

〈1打差の単独2位に後退した若林〉昨日よりさらに暑くて、頭がクラクラしました。追いかける方が楽だと思うので、勝てなくてもいいゴルフがしたい。