田村尚之(57)が通算10アンダーの206で並んだ秋葉真一、阿原久夫とのプレーオフを制して優勝した。田村は5年ぶりの制覇。前半終了時には首位に4打差をつけられたが、18番のバーディーで首位に並んだ。前回、19年大会は3人のPOで敗れているが、雪辱を果たした。

 

POでカラーから約4メートルのイーグルパットを決めた田村は、高々と跳び上がって喜んだ。「ワンカップも切れないとキャディーさんに言われ、その通りに打てました」。3日間パットに苦しんだが、キャディーの鈴木美穂さん(28)の助言を信じて打ち続けた。

1年半ほど前から乱視からボールがにじんで見えてしまう。「矯正しても、どうもグリーン上で右が高く見える。迷うから打ち方までおかしくなった」。田村にとってキャディーは「目」となる。同大会で例年コンビを組む鈴木さんが、昨年12月に裾野CCを結婚退職していたが、臨時復帰を依頼。ラインだけでなく、スコアが落ちた時は励ましてもらった。「美穂ちゃんに頼んでよかった」。

勝利を伝えたい相手がもう1人。2月に90歳で亡くなった母幸子さんだ。「今日は空を見ながらプレーした。力を貸してくれたのかな」。格別のシニア2勝目となった。

<優勝した田村のキャディーを務めた鈴木美穂さんは涙ぐみながら>私は何もしていませんが…今回は声をかけてもらってうれしかったです。感激です。

 

○…POで敗れた秋葉は、勝者をたたえた。自身もバーディーチャンスだったが「自分がやることはできたが、田村さんのパットが素晴らしかった」。また、レギュラーツアーを通じて初勝利を逃した阿原は「(POの)ティーショットのミスが悔やまれるが、素晴らしい経験ができた。次に生かしたい」と話した。

 

【最終成績】(1)田村尚之206(プレーオフ)(2)秋葉真一、阿原久夫=以上206(4)深堀圭一郎、原川光則、崎山武志=以上208 ▼以下主な選手 (7)伊沢利光209(9)久保勝美210(14)高橋勝成212(20)堤隆志214(26)米山剛215