飛ばし屋アマチュアの河本力(21=日体大4年)が1ホールでOB、ロストボール(紛失球)を喫し、まさかの「9」をたたいた。1打差2位からスタートし、通算8アンダーの首位に浮上した後の大たたきが響いて、この日は73。ホールアウト時点で首位と5打差の通算5アンダーとなった。

悪夢は、スコアを2つ伸ばして迎えた前半16番パー5(577ヤード)で起こった。ピンまで210ヤード、左ラフ。「8番アイアンで思い切り振って、グリーンに届かせてやろうと思った」という第2打が右にシャンク、OBゾーン方向に消えた。続けて打った暫定球はヘッドがラフに絡まり、左林方向に飛んだ。

河本はまず右ラフに行き、OBゾーンからボールが出て来ていないことを確認後、暫定球を打ち込んだエリアへ。同組の山下和宏、クロンパ、スコア速報のボランティアらも加わった捜索の末、河本の帯同キャディーが左斜面の雑草内で「ありました!」と発見したが、競技委員が計測時間を「3分10秒」と判断。ボールが見つかったにもかかわらず、捜索の制限時間「3分」を超えて、わずか数秒差で紛失球となる不運だった。

河本は暫定球を打った地点に戻り、OBの2罰打&ロストの2罰打を加えた6打目をグリーン前ラフへ。7オン2パットで、一気に4つもスコアを落とした。

河本は「前半が終わるまで、気持ちは全然落ち着きませんでした。でも、推薦で出させていただいているし、ふてくされてる場合じゃないなって」という。17、18番はショットが荒れる中、好リカバリーで1パット・パー。後半アウトは8番までパーオンさせてのパーを重ね、最終9番で94ヤードの第2打を54度ウエッジでピン前2メートルにつけ、バーディーフィニッシュ。「9」と3バーディーの73と、我慢強くスコアをまとめた。

河本は8月下旬のセガサミーカップ、Sansan KBCオーガスタでもロストボールを経験。「何でロストばっかり続くんだろう。すごく嫌。今日は数秒オーバーで…。見つかった方が悔しいですね」と恨めしげだった。