国内女子ゴルフツアーのスタンレー・レディース(静岡・東名CC)で渋野日向子(22=サントリー)が涙の復活優勝を飾った10日、もがき、苦しみながら、人けの少ない練習場で黙々と球を打ち込む選手がいた。同じ黄金世代の河本結(23=リコー)。その大会は、第2ラウンド(R)終了時点で62位となり、決勝R(50位タイまで)に進むことができなかった。それは、3戦連続の予選落ちだった。

かつての力強さは、影を潜めている。今年は国内ツアーのトップ10入りが、開幕戦のダイキンオーキッドレディース(3月上旬)の7位と、アクサレディース(3月下旬)2位の2度だけ。5月に米ツアーから戻ってからは、6月のサントリーレディースの20位が最高で予選落ち5度、棄権1度。夏場には体調を崩して4試合を欠場。苦しい時間を過ごしている。

渋野とは同じ18年夏のプロテストに合格。ステップアップ(下部)ツアーからはい上がってきた仲でもある。互いに刺激し合い、努力し、力を付けてきた。

ちょうど、10日に渋野が優勝争いを繰り広げていた頃、インスタグラムのストーリーに河本はこう記した。

「もがいて、考えて、練習して、上手くいかなくて、苦しいし、うざいし悔しい、けど。私が選んで進んできた道を後悔しないし、今の私から逃げるつもりもない」(原文まま)

特に、たった1人で戦うゴルフは、暗闇にはまると抜け出すのに時間がかかることもある。ただ一つ、言えることは、この秋の日本女子オープンを制した勝みなみも、今回の渋野もこれまで、結果が出ない長く苦しい時間があった。それを乗り越えて、優勝までたどり着いたということ。

インスタグラムの最後に、河本はこんな言葉を続けている。

「越えたら最強だ~! やるぞ!」

諦めず、努力を続けていれば、明けない夜はない。

いつの日か、また、強い河本結が戻ってくるはずだ。

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