ツアー競技パナソニックオープンでアマチュア優勝を飾った中島啓太(21=日体大3年)が1アンダー、70で首位と7打差46位につけた。2週前のツアー競技を腰痛で途中棄権しての復帰戦。「80%の体調でも回りきる」と念じ、アンダーパーにまとめた。下部ツアーでアマチュア優勝した河本力(21)も46位。岩田寛(40)がパー71の大会最少ストローク63で首位発進した。

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体と相談して、3番ウッドを握った。435ヤード、第2打が打ち上げとなる右ドッグレッグの14番パー4。中島は「昨日はドライバーを持つって言ったんですが…。思い切り体を回してスライスを打つことになるの…」。完治していない腰に負担をかけない。結果は右林に打ち込みボギーにしたが後悔はなかった。

10月1日、アマチュア優勝翌週のバンテリン東海クラシック第2日スタート前に腰痛で棄権した。「家に帰って思ったんです。“これじゃ何も学べない”“50%の状態でも続けた方が良かった”と」。プロツアーで多くを学ぶべき立場の自分が、競技を断念するむなしさを知った。「毎日100%でプレーするのは難しい。それを諦めるというか。80%で回りきることが大事と思うようになった」と話した。

当然諦めてばかりじゃない。最終18番パー4(450ヤード)はドライバーにこだわった。左の池、右のバンカーを嫌い、多くの選手がレイアップを選択する。中島も前日の練習ラウンドでドライバーを握り、池に打ち込んだ。しかし、この日は理想的なストレートボールでフェアウエーへ。残り118ヤードの第2打を52度のウエッジでピン奥4メートルへ。パーに終わったが、第1打を「完璧です」と自画自賛した。

3バーディー、2ボギーの70は満足できるスコアではない。それでも「崩れず、アンダーで回れた。そこは成長と思います」。腰痛からの復帰ラウンド。考え、学び、残り3日につなげていく。【加藤裕一】