首位から出た松山英樹(29=LEXUS)が、4月のマスターズ以来となる米ツアー通算7勝目に王手をかけた。首位から出て、4バーディー、2ボギーの68と2つ伸ばして回り、通算10アンダー、200。2位とはスタート時点と変わらず1打差となった。9アンダーのキャメロン・トリンゲール(米国)が2位から追う展開で、最終日に臨むことになった。

前半は2番パー4でバーディーを先行させた。1打差2位からスタートしたトリンゲールが、1番をバーディー発進し、首位に並ばれた直後。2番のティーショットをフェアウエーに運ぶと、第2打を3メートルにつけて伸ばした。このホールをトリンゲールがボギーとし、2打差の2位に退けると、その後は追いつかれることなく折り返した。

雨と寒さに見舞われた前日22日の第2ラウンドから一転し、快晴で温暖な中で4番からは上着を脱いで半袖でプレーした。5番パー3でティーショットを池に入れてボギーとしたが、6番パー5でバウンスバック。第2打はグリーンを越えてラフに入れたが、第3打のアプローチを30センチにピタリと寄せ、タップインでバーディーを奪った。9番パー4では、第2打をピン手前左4メートルにつけ、これを沈めて3つ目のバーディー。大歓声を起こして後半に突入した。

後半は着実にパーを重ね、16番パー3でバーディーを奪った。ティーショットを2メートルにつけて伸ばした。最終18番パー5で、ティーショットを左の林に入れ、第2打を隣の9番のフェアウエーに出すなどしてボギーとしたが、首位を守った。ホールアウト後、この日のプレーについて「難しいコンディションでしたけど、いいプレーはできたかなと思います。まあ、悪くはなかったかなと。スコアを伸ばせたのは良かったと思います」と話した。

優勝に王手をかけたが、浮かれた様子はまるで見せなかった。かねて「3日目をいい位置で終えたい」と話しており、狙い通りに首位。それでも「まあ、良かったんじゃないですかね」と話すにとどめた。「いいプレーをすれば勝てると思うし、悪かったら負けると思う。(今大会は)いいプレーができていると思うので、続けられるようにしたい」。3日間、60台を並べてきたが、最終日の内容次第で良い思い出にも、悪い思い出にも変わることを、熟知しているからこそ、気を引き締め直していた。