ミレニアム世代の古江彩佳(21=富士通)がツアー史上9人目となる2度目の2週連続優勝を飾った。首位スタートから69をマークして通算12アンダー、276で逃げ切った。今季ツアー5勝目で通算6勝目。ツアー2番目の高額V賞金3600万円を獲得し、賞金ランクも4位から2位へ。残り5戦で1位稲見萌寧(21)に約2200万円差まで接近。逆転女王の可能性も出て来た。西郷真央(20)が1打差2位だった。

最後はシビれた。最終18番パー4、13メートルのバーディートライがショートし、外せばプレーオフという1・5メートルのパーパット。沈めた古江が思わず右手を握りしめた。ティーグラウンドで1組前の西郷がバーディーを決めた歓声を聞いていた。「11アンダーになったんだ、落とせないなと思い、緊張しました」。プロで初めてギャラリーの前で優勝した。会場は自宅通勤の地元・兵庫。表彰式で涙ぐんだ。

約11カ月ぶりの前週優勝で強さを取り戻した。フェアウエーキープはこの日14ホール中12回、パーオンは18ホール中16回。10番パー4、残り143ヤードの第2打で9番アイアン(I)をピッチングウエッジに持ち間違えたが、ベテランの清水重憲キャディー(47)の指摘で9Iに持ち替えバーディーを奪った。「Pが9に見えて」と笑う姿に同キャディーは似ているプロにかつてバッグを担いだ「イ・ボミ」を出した。

古江は幼稚園の頃、運動会で「1位じゃないとダメ。2位じゃダメ」と言い、母ひとみさんを驚かせた。「それは今も変わりません。2位だと記録にも記憶にも残らない」。賞金ランク2位となり、1位稲見と約2200万円差。逆転賞金女王へ。筋金入りのプロ根性で突っ走る。【加藤裕一】