女子ゴルフで2週連続優勝中、賞金ランキング2位の古江彩佳(21=富士通)が史上最大の逆転劇で賞金女王をつかむ。28日、樋口久子・三菱電機レディース(10月29~31日、埼玉・武蔵丘GC)の開幕前会見に臨んだ。約2200万円差まで接近した同ランキング1位の稲見萌寧が腰痛で今大会を欠場。残り5戦のうち、年内最後の3戦で昨年は優勝2回に2位と相性がいい。まずは今大会で史上3人目の3週連続優勝を目指し、88年ツアー制施行後の新記録となる最大約7250万円差を逆転する。

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得意の秋を制し、古江が歴史的逆転女王へ駆け上がる。先週まで2週連続優勝で賞金ランキング首位の稲見との差を約2200万円差まで詰めた。その稲見は先週大会を腰痛で棄権し、今回も欠場。練習ラウンド後の会見では「追いかける方からすると、すごくおいしい話かもしれないですけど、私は私で自分のゴルフができたら」と自らに言い聞かせるように言った。

稲見とは9月の住友生命レディース東海クラシック終了時点で最大約7250万円の差が開いていた。過去に逆転で賞金女王が誕生した際の最大差は、09年に諸見里しのぶを逆転した横峯さくらの約4389万円差。今季は昨年との統合シーズンで単純比較はできないが、それを大きく上回る大逆転劇になる。

快挙への希望が膨らむのは、古江の秋の大会の好成績。残りわずか5戦。昨年も年内最後の3戦で、伊藤園優勝、大王製紙エリエール優勝、ツアー選手権リコー杯2位と好成績を挙げている。まさに「秋女」ともいうべき強さを誇るだけに、まずは今大会で勢いをつけたい。

07年の全美貞、19年の鈴木愛に続く、史上3人目の3週連続優勝のかかる今週は2年前にプロデビューした思い出の大会。当時は予選落ちし、昨年も22位。決して相性は良くないが「体調は大丈夫ですし、気分もいい。調子に乗りすぎないように集中したい。コースとうまく向き合って、楽しく回れたら」。史上最大の逆転劇の実現へ、どこまでも前向きだった。【松尾幸之介】

◆女子ゴルフの逆転賞金女王 過去最大差での逆転は09年の横峯さくら。残り11戦で首位の諸見里しのぶと約4389万円差の3位だったが、最終戦など3度の優勝で逆転した。次ぐのが94年の平瀬真由美。残り14戦で首位の塩谷育代と約3990万円差も4度の優勝などでかわした。19年には鈴木愛が残り5戦で首位の申ジエと約3817万円差の4位から3週連続優勝で逆転している。