渋野日向子(22=サントリー)が今月2勝目へ、首位に浮上した。ショットが抜群の安定感を見せ、6バーディー、2ボギーの68で回り、通算7アンダー、137。19年5月にツアー初優勝を果たした国内メジャーのワールド・サロンパス・カップと同じく、ペ・ソンウ(韓国)と首位に並んでの最終日最終組。好調から持ち前のしぶこ節が次々と飛び出すなど、自然体で日米通算7勝目を狙う。

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プレーも、しぶこ節も、しぶこスマイルもさえ渡った1日だった。ベビーカーの赤ちゃんを見掛けると、「かわいい」と笑顔で手を振った。その直後の5番パー4。1メートルのパーパットをわずかに外し、ボギーとしたが、6、7、8、9番と4連続バーディー。7番パー4でティーショットのアドレスに入ろうとすると、虫が寄ってきたのか落ち葉なのか、苦笑いしながら何度も手で追い払う場面もあった。邪魔が入ってもイラつくこともなく、難なく3メートルのバーディーパットを決めた。「やべーミスはほぼほぼなかったかな。ボギった(ボギーだった)ところくらい」と振り返った。

前年大会で8番パー3でホールインワンを達成しながら予選落ち。この日の12番パー3でティーショットがピンに当たって弾かれ、渋野的にはヒヤリとした。ホールインワンからの予選落ちの“恐怖”があるだけに「入らんで良かった。はじいて良かった」とホッとした表情。予選通過したこの日、最終日の決勝ラウンドでホールインワンが出た場合については「明日はいいんじゃないですか」と話すなど、心理的マイナス材料もなくなった。

最終日を首位に並んで迎えたのは20年12月の全米女子オープン以来。この時は4位に陥落した。「やっていることが違うので、あまり比べてもと思う。全米女子オープンとか比にならないくらいの緊張でしたし。あの時と比べたら、落ち着いてできるのかな」。成長に手応えを感じている。

前日の全身黒とは一転して、頭から足元まで全身白のファッションで登場。「誰にも染まりませんよ、という白です。理由がないから言っただけ」と冗談めかして説明した。最終日に向けた験担ぎを聞かれると「特にないですが、車に乗りながら(スマホで)『ポケモンGO(ゴー)』をするくらい。今はハロウィーンで、ピカチュウとかがハロウィーンの何かかぶっているので、それを集めています。捕まえるだけだから、ゴルフのことは考えていません」。優勝をかけた最終日を自然体で迎える。【近藤由美子】