男子ゴルフの石川遼(30=CASIO)が9日、男子国内ツアーを管轄する日本ゴルフツアー機構(JGTO)とジャパンゴルフツアー選手会の副会長など、各役職を辞任する意向を示した。11日開幕の三井住友VISA太平洋マスターズ(静岡)出場も辞退する。一部報道で、米国から帰国後14日間の自主隔離期間中、一般客も利用するゴルフ場で練習し、複数で飲食していたと指摘された。本人、JGTO、選手会は一斉に謝罪も、事実関係の具体的な説明はなかった。

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石川は9日午前、文書で「帰国時に空港の検疫にて登録した待機先(ゴルフ場)で、入国者健康チェックを毎日受け、14日間の隔離を行っておりましたが、一部至らない点があった」などと謝罪。その後、JGTOや選手会の副会長など役職の辞任意向も発表した。

JGTOや選手会も石川に続き、文書で謝罪した。選手会は「軽率な行動でファンや関係者の方々の期待を裏切るような形」と陳謝。JGTOも青木功会長名で謝罪した上で「本人に事実確認をし、検証中」と、近日中に臨時理事会を開き、検証結果と合わせて最終的な処遇を決定する予定だという。

石川は10月22日まで、来季出場権をかけた米下部ツアーの2次予選会に出場。最終予選会進出を逃し、帰国した。9日発売の写真週刊誌「フラッシュ」は10月27日の千葉県内ゴルフ場とされる写真を掲載。ゴルフ場関係者の話として、石川はコースを回ったり、夜はスタッフらと毎晩のように飲み会をしていたと報じた。コロナ水際対策を担う厚労省担当者は「自主隔離中に、一般客も利用するゴルフ場で練習していたとしたら、あり得ないこと。事実なら、誓約違反で氏名公表の対象となる」と話した。

「フラッシュ」電子版が報じたのは8日午前11時。JGTOは8日段階で「確認中」と話すにとどめ、石川のマネジメント会社は「本人が会場入りすれば、本人から説明すると思います」と否定も肯定もしなかった。石川も9日朝まで、国内男子ツアー復帰戦だった三井住友VISA太平洋マスターズに出場する予定だった。第一報から丸1日かかって各所が対応も、具体的な説明には至らなかった。【近藤由美子】

▼8日午前11時 写真週刊誌「フラッシュ」電子版が報道。

▼8日午後 JGTOは「確認中」。石川のマネジメント会社は「本人が会場入りすれば、本人から説明すると思います」。終日、ネット上で批判が相次ぐ。

▼9日午前9時20分ごろ 石川が文書で自主隔離先はゴルフ場だったと明かした上で「一部至らなかった点があった」などと謝罪。

▼9日午前11時20分ごろ 石川が文書で「三井住友VISAマスターズ」への出場辞退を発表。今後の試合出場はJGTOの判断に委ねるとした。JGTOとジャパンゴルフツアー選手会の副会長と理事を辞任する意向も示した。

▼9日午後2時 JGTOが「弊機構役員に関する報道についての状況報告とおわび」文書を発表。

▼9日午後2時半 ジャパンゴルフツアー選手会が「役員に関する報道について」文書を発表。