全米女子オープン出場経験者の高山佳小里(かおり、28=フリー)が初優勝した。プロアマを問わず、将来のトップ選手を目指す女子選手52人が参加。主催者と同ゴルフクラブが激励の意味を込めて、7月のサマンサタバサレディース最終日と同じコース条件の下で行われた。

高山は1番でボギーが先行したものの、その後はショットが切れて、次々に1ピン以内にオン。6バーディーを奪う快調なペースに「優勝と自己新の67を意識してしまった」と、17番のティーショットを林に入れてダブルボギーとした。それでも18番をパーで収め、2位に1打差の70で逃げ切った。

表彰式後、「とにかく、うれしいです。3年前もこんなふうにみなさんに取材されました」と照れくさそうにした。専大ゴルフ部卒業後、キャディーのアルバイトをしながらプロテストを目指していた2018年5月。「腕試しのつもりで」と出場した全米オープン日本地区最終予選で2位となり、本選に出場した。当時、レギュラーツアー出場1試合だけの24歳の快挙が話題になった。本番は通算18オーバーで予選落ちしたが、大きなきっかけになるはずだった。しかし、その後もアルバイトしながら夢を追う生活は続いた。今年のプロテストも2次予選で姿を消した。

「メンタルや考え方の部分で足りないところがあったと思います。ツアーもどんどんハイスコアになるし、レベルも高くなってますし」。気が付けば年下の選手たちが国内のトップに立ち、世界を舞台に輝いていた。「(年下の選手は)すごいなと思います。でも、負けたくないです」。落ち着いたプレーや、ホールアウト後のジャケットの着こなしなど、ゴルファーとしての振る舞いは身に着けている。難コースを制したこの日を、新たなきっかけにしたい。