金谷拓実との優勝争いを1打差で逃げ切り、5年ぶり通算15度目の優勝を決めた谷原秀人(42=国際スポーツ振興協会)が、優勝会見で喜びを語った。最終日を振り返り「優勝してもできなくても、この位置で今やれているのがうれしくて。ここ2~3週間でやっとショットの感覚とパターの感覚が合ってきた。最終日最終組でトップに立っていて、あまり負けたことがないので負けないんじゃないかなと思っていた」と振り返った。

この日は、序盤の2番、3番で連続バーディーを決め、一時は2位の金谷に4打差をつけた。しかし、6番でボギーを打つと、後半は11、13、14番とボギーが続き、金谷に並ばれた。それでも、15番で、バンカーからのアプローチが1・5メートルにつきバーディー。金谷を突き放すと、最終18番では6メートルのバーディーパットをねじ込み、同じくバーディーを奪った金谷を1打差で振り切った。

「15番のバンカーからは、あれを外したら今日(の優勝)はないなと。あのバーディーを決めて、またチャンスができたかなと思いました。18番のバーディーパットは、あれを決めないとプレーオフにいっても負けると、あれだけは絶対決めてやろうという気持ちで打った」と話した。

朝のスタート前には、ぎっくり腰になりかけ、移動中には電気治療を行い、痛み止めをのんで出場。「今日できるのかなと思った。クラブは何とか振れたが、ロングパットを打つときには、ちょっと痛い感じだった」という。それでも、ここ2~3週間ショット、パッティングなどすべての面で安定していたことで「どうやってでも上で戦える」というかつての自信がよみがえったことが大きな勝因となった。

今年で10歳になる長男悠人君からは家に帰るたびに「今日は何位だったの?」と尋ねられるという。「いつも帰ったら尻をたたかれる感じ。でも今日は多分、相当喜んでくれると思います」と相好を崩した。

42歳とベテランになった。この日優勝を争った金谷のような実力派の若手の台頭も著しい中で「若手にこういう姿を見せたいとか、そういう思いはない。同じ年ぐらいの人が刺激になればいい。みんな谷原がやれるんだからという気持ちになってくれれば。20代、30代、40代と一緒にレベルアップしていければ」という願いを口にした。自身は17、18年と戦っていた欧州ツアーへの復帰を望んでいる。「成し遂げたいことはないんですけど、やっていて楽しい。早くコロナがなくなって欲しい」と話していた。

◆谷原秀人の優勝クラブ

▼1W=ホンマ T WORLD GS(シャフト=ホンマ・ヴィザードFP-6 長さ45・5インチ、硬さX、ロフト11・5度)▼3W=タイトリスト TSi(15度)▼5W=テイラーメイド M2(18度)▼アイアン(4~5I)=ホンマ TR20P、同(6~10I)=ホンマ TR20B▼ウエッジ=ホンマ T WORLD(49、55、59度)▼パター=タイトリスト スコッティキャメロン ツアーオンリー▼ボール=ホンマ HONMA NEW TW-X