首位と9打差の23位から出た、賞金ランキング1位の稲見萌寧(22=都築電気)は、出入りの激しい展開ながら、3つ伸ばし、ホールアウト時点で18位に浮上した。7バーディー、4ボギーの69で回り、通算1アンダー、215。ホールアウト時点で首位に立つ、三ケ島かなとは7打差とした。

前半は2番パー5で、11メートルの長いパットを沈めてバーディーを先行させた。すると3番パー4も5メートルのパットを決め、4番パー4は第2打を1メートルにつけ、3連続バーディーとした。

5番パー3は、ティーショットをピンから遠い左バンカーに入れた。「あのバンカーからパーを取るのは、ほぼ無理」と、第1、2ラウンドでもボギーとした苦手のホールで、痛恨の一打を放った。第2打はバンカーからは脱出したものの、グリーンには乗せられずにラフへ。第3打のアプローチはピンを4メートルもオーバーした。だが第4打のパットを沈めると、珍しくボギーとしながらも、右手でガッツポーズをつくった。

だが気持ちも乗ってきたと矢先の6番パー4で、再びアプローチを寄せられず、パーパットも外して連続ボギーとした。9番パー5では、ティーショットを左の林に打ち込むと、第2打は木に当ててほとんど前進できずにバンカーへ。第3打でフェアウエーに運んだが、第4打はグリーンに乗せたがピンまで10メートル。2パットを要し、伸ばしたいパー5をボギーとし、3バーディー、3ボギーとこの日イーブンパーで折り返した。

嫌な流れで後半に突入したが、11番から再び3連続バーディーを奪う、離れ業をやってのけた。前半の3連続と同様、11番パー5で9メートルの長いパットを沈めて波に乗った。上がり2ホールでバーディーとボギーを1つずつ奪ってホールアウト。ホールアウト後は「けっこうバーディーを取れてよかったし、パッティングが入ってくれてよかった。アンダーを出したいという気持ちでやった」と、伸ばせなかった第1、2ラウンドとは違い、晴れやかな表情で振り返った。その2日間との違いを問われると「パッティングで、長いのが入ってくれたことが一番(の違い)。ショットもスイングの意識の仕方を1カ所だけ変えたり、ちょっと工夫してやった。やっていることは変わらないけど、意識を変えた。切り返しで」と、体の軸などを意識したことが奏功した。

泣いても笑っても、2年にまたがる今季最終戦も残り1日となった。それでも「あまり変わらないですね。大事な試合であってもなくても、明日は明日。特別な感情はないです。冷静でいられる順位なので」と笑顔。さまざまな修羅場を乗り越えてきただけに、堂々と胸を張って話していた。