女子ゴルフで札幌市出身の成沢祐美(24=フリー)がプロゴルファーとして新たなスタートを切る。

昨年11月に行われた21年度日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の最終プロテストに6回目の受験で合格。「正直まだプロになった実感がなくて、本当になったのかなという感じで信じられないですね」。16年の初受験から、過去4度涙をのんできた最終テストを突破し、ついに道を切り開いた。

11歳の時に初めてクラブを握った。「プロを目指して頑張りたい。一年中ゴルフができるようなところに行こう」と、中学卒業後、ゴルフの名門東北高や明徳義塾など複数の学校の中から「練習環境や雰囲気に引かれて」岡山・作陽高に進学した。16年春に高校卒業後は津山市を拠点に、時にはキャディーのアルバイトを務めながら腕を磨く日々を過ごした。

高校の1学年後輩で、15年の全国高校ゴルフ選手権団体の部でともに優勝した渋野日向子(23=サントリー)に大きな刺激を受けている。成沢が2年連続で出場した昨年の日本女子オープンでは一緒に練習ラウンドを行った。久々の再会に「しゃべった感じは一緒でした。渋野だなって」。高校時代と変わらない後輩の姿。その一方プレーでは魅せられた。ティーグラウンドを囲んだ多くの観客の前で、渋野が放った真っすぐで高い弾道のドライバーショットに鳥肌が立った。「うわーって思いました。貴重でしたね。自分も活躍したらこんなふうになれるかな」と未来像を思い描いた。

ツアーの出場資格を持っていないため、試合経験を積むべく3月開幕予定のステップ・アップ・ツアーを主戦場とする。「まずは1勝をして、今後のツアーにいけるようにつなげたい。渋野に追いついて、いつか最終日最終組で一緒にまわりたい」。色紙に記した「夢の舞台へ」という目標を必ずかなえる。【山崎純一】

◆成沢祐美(なりさわ・ゆみ)1997年(平9)11月21日生まれ、札幌市出身。札幌手稲東小5年の時にゴルフを始める。札幌手稲東中2年時の11年、北海道ジュニア中学女子の部で優勝。岡山・作陽高3年時の15年に全国高校ゴルフ選手権団体の部優勝。ドライバーの平均飛距離は240ヤード。得意クラブはドライバー。趣味はユーチューブを見ること。好きな食べ物は炊き込みご飯。家族は両親と姉と弟。血液型A。160センチ、56キロ。