【オーガスタ(米ジョージア州)8日=高田文太】2月に30歳となって迎えた最初のメジャーで、松山英樹(LEXUS)が“大人のゴルフ”で2位に浮上した。19位から出て、4バーディー、1ボギーの69で回り、通算3アンダー、141。攻めと守りを使い分けて3つ伸ばした。史上4人目の連覇へ、8アンダーの首位スコッティ・シェフラー(米国)と5打差で、決勝ラウンドに進出した。大けがから約1年2カ月ぶりに復帰のタイガー・ウッズ(46=米国)は、1オーバーの19位で予選を通った。

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多くの選手がスコアを落とす強風の中で、松山は冷静だった。2つ伸ばして迎えた後半15番パー5。残り225ヤードから池越えの第2打を、グリーンのやや右寄りに乗せた。16メートルのイーグルパットこそ決まらなかったが、90センチに寄せて楽々バーディー。このまま3アンダーの2位で予選を通過した。「いいプレーができたと思う。(先にスタートした選手の)スコアを見て、相当難しいんだろうなと思っていた。パー5で(バーディーを)取れればと思ってプレーしていた」。狙い通りの試合運びだった。

このバーディーこそ、過去10度出場の経験を生かした“大人のゴルフ”の真骨頂だった。15番は横長グリーンで、この日のピン位置は左端。右側に比べ、幅が狭まった左側は後方の池も近い場所だ。不規則に舞う風の中、ピンを狙えば前後の池につかまる可能性がある。池に入らなくても、グリーンからこぼれれば難しいアプローチが残る。さらに左側からせり出した木も気になる、フェアウエー左側からの一打。「木が邪魔で、フックをかけないといけなかった。あれがベストショット」と胸を張った。

あらゆるリスクを避ける守りと、それでも2オンを狙うなどの攻め。両者のバランスが絶妙だった。11年に10代で初出場した際は、ガムシャラに攻め続けた。その後、守りの大切さを感じつつ、それでも攻め気が強かった20代。そして30代最初の今年は、攻守を使い分けて予選を通過した。

30歳を前に松山が話したことがあった。「あと5年から10年しか、ゴルフが本当にうまくなることはないと思う。30代は、いろんな経験を踏まえて強くなる時期。時間は残されていないと思いながら、やっていかないといけない」。昨年とは違う、マスターズにかける思いがある。6番パー3では、ホールインワンまであと90センチのバーディーを奪うなど、プレーは一段とパトロンを魅了。この日、疲れを問われて「まだ余力はある」と語った。30歳の松山が残り2日間、余力も使い果たして連覇を目指す。