ツアー初出場の13歳、アマチュアの香川友(山東CC)が1アンダー、70をマークした。ホールアウト時点では43位。15日の第2ラウンドで予選通過すれば「13歳258日」で、伊藤誠道の「14歳21日」のツアー最年少記録を更新する。

同組の倉本昌弘(64)がごく自然に、香川に声をかけた。

「うまいね~」。

後半インの10番パー4。香川がグリーン左手前ラフから、35ヤードのアプローチを80センチに寄せ、難なくパーをセーブした。11番も花道から30ヤードを40センチに寄せる。

スタート1番パー4で、バンカーから140ヤードの第2打を9番アイアン(9I)で5メートルに乗せ、バーディー発進。2番で3パットのボギーをたたいたが、5、8、9番のバーディーで3アンダーで折り返した。15番パー4で160ヤードを7Iで2メートルにつけて5アンダーにすると、その時点で首位と1打差に迫った。

「悪いところは別になくて、ちょっとしたミスが出た感じです」。第1打をOBにした16番、ガードバンカー脱出に失敗した18番と上がり3ホール中2つのパー5でダブルボギーを喫したのは痛いが、逆に「それがなければ…」と伸びしろすら感じさせるツアーデビューだった。

キャディーを務めた父正宏さん(50)が脱サラし、千葉・野田市で始めた練習場「関宿ゴルフセンター」で1歳からゴルフを始め、野田市立中央小に入る頃に本気になった。本物を見せたい父に連れられ、渡米して米ツアーを観戦。ミケルソンのアプローチが大好きで、18ホールをついて回りボールをもらった。「アプローチが好き」という少年の興味はクラブに及び、所有するウエッジは約100本。バッグに入れた58度のウエッジは、父の練習場にある工房でソール、バンスを自ら削ったものだ。

現在、野田市立第一中2年で170センチ、95キロ。この1年で背は5~6センチ伸び、体重は5キロ増えた。ドライバーはキャリーで285ヤード。3月1日の今大会アマチュア予選会は高校、大学生を押しのけ、参加約120人でトップ通過した。今年から解禁されたアマチュアへのスポンサードも、明治安田生命、すしざんまいなどすでに6社がついた。

同組で回った倉本が笑う。「僕と53歳差ですって? すばらしい感性持ってますよ。(ツアーに)出て行くうちに、いろいろ考えるようになるでしょうけど、今はそんなのがみじんも見えないですね」-。

今大会の目標は「予選通過して、上位に行くこと」。2日連続アンダーパーなら、可能性は十分。達成すれば「13歳285日」のツアー最年少予選通過記録になる。