マスターズ以来、約1カ月ぶりのツアー復帰戦となった松山英樹(30=LEXUS)は猛チャージで、トップと2打差の3位に入った。7打差の18位で出て、1イーグル、9バーディー、1ボギーの62と自身初の1日2桁(10)アンダーで回り、通算24アンダー、264。李京勲(韓国)が通算26アンダー、262で、大会2連覇となる米ツアー2勝目を逆転で飾った。地元テキサス出身のジョーダン・スピース(米国)が25アンダーで1打差の2位だった。

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今大会はメジャー2戦目、全米プロ選手権(19日開幕、オクラホマ州)の前哨戦。次戦を占う試合で、松山は爆発力を見せつけた。

この日はショットが安定していた。2番パー4で残り150ヤードからの第2打を1・8メートルにつけてバーディー先行。5番からの4連続バーディーを含む6バーディー、ボギーなしの猛攻で後半に突入した。

上位選手の伸ばし合いで、優勝争いは最後までもつれた。松山は最終18番パー5で残り230ヤードから2オンに成功。約1・8メートルを沈めてイーグル締めした。一時は首位に立ち、ホールアウト時点では1打差の2位。後続の結果を待ったが、優勝した李には2打及ばなかった。

普段は自己評価が厳しい松山だが「ティーショットもセカンドショットも、いいパフォーマンスが出せた。いいスイングができた時はいい結果を伴う」と手応えを口にした。一方で「パッティングをもうちょっとスムーズに、自信を持って打てるようになれば」と反省も忘れなかった。最終日だけで10アンダー。「1日2桁アンダーを出せたのは今までなかったので、ちょっとうれしい」と明かし、素直に喜んだ。

3月に肩甲骨辺りの痛みを発症した。その中で2連覇を目指すも14位だったメジャー初戦、マスターズ以来のツアー出場。約1カ月ぶりと間隔が空いた。「思ったよりできたな、というのはある」と合格点。一方で「優勝するには、もう少し細かいことをやっていかないといけない」と気を引き締めた。

この日に更新された世界ランキングで、前週から順位を2つ上げて11位に浮上。全米プロ直前の好成績で、松山への期待は高まるばかりだ。「早くコースに対応できるようにしたい」。気持ちを切り替え、大一番に向けて備えを進める。

◆1日最多アンダー 米男子ツアーでは、13アンダーが4回ある。直近では17年のキャリアビルダー・チャレンジ第3日にアダム・ハドウィン(カナダ)がパー72を59で回り達成している。国内ツアーでは12アンダーが最多。03年のアコムインターナショナル第1日に倉本昌弘がパー71で59を、10年には石川遼が中日クラウンズ最終日にパー70で58という記録を出している。なお松山が10アンダーを出したこの日、東京五輪金メダリストのザンダー・シャウフェレ(米国)は11アンダーで回った。